2019年ジャパンクラシックパワーリフティング選手権83㎏級王者の平向賢伍選手はSNSをやっているわけでもなく、選手間のコミュニケーションを積極的に取っているわけでもない、情報の少ないパワーリフター。あまり知られていない平向選手の練習法を学ぶべくパワーリフターを中心とした参加者たちが集った。
序盤は平向選手の一番記録が伸びたときのサイクルトレーニングについて解説された。
「スクワットだと6週間で組んでいて、最後が230~240㎏で6回をやれるように、10㎏ずつ刻んでいきます。180㎏くらいから始めて190㎏、200㎏と10㎏ずつ重くしていきます」
最初の重量設定が鍵を握る。
「物足りなくても軽い重量まで落とすことで疲労回復もできますし、徐々に重量をあげることで筋出力もあがっていくと思います。また軽い重量にしっかりと落とすことで記録の重量でみえた課題の修正にも取り組みやすくなります」
初・中級者の具体的な重量設定も教えてくれた。
「ベンチプレス80㎏を目指すのであれば、60㎏から始めて2.5㎏アップずつくらい、70%くらいに設定してみてください。ただしサイクルトレーニングは記録が伸び悩んだときに始めてほしくて、トレーニング初心者は10回3セットを限界までやっていくことをまずはおすすめします」
続いて練習頻度の話題に移ったのだが、驚くことに平向選手が一番伸びたときは週2回だけ。
「スクワットとベンチプレスの日、デッドリフトとベンチプレスの日という週2日、1時間半ずつくらいで組んでいました。忙しい人でもできると思います。この頻度で1年間でトータル記録70~80㎏は伸ばすことができました」
気になる練習法の中身についても包み隠さず教えてくれた。
「スクワットならばメインは2セット、そのあとはメモリーセットという次週行う重量を3回で1セット、それからストップスクワット、ノーベルトのスクワット、スロースクワットをやっていました。弱点になりそうなところを補助種目で行うようにしています」
後半には毎日行っているという身体のケアについても公開された。
「ストレッチポールなどで筋膜をリリースしてあげて、そのあとでストレッチをして深い部分の筋肉を伸ばす。これを自宅もしくは練習前に20~30分やることで身体の連動性が上がります」
最後に平向選手はパワーリフティングの魅力を語った。
「数字という絶対的なもの、誰がみても記録をみれば勝ちは勝ち、これがパワーリフティングの面白さだと思います」
発売中のアイアンマンでは平向選手のセミナーの質疑応答も紹介されている。デッドリフトのスタンスのこと、ケガのこと、減量のことなど。
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