コンテストで優勝する人は特別な素質があって、才能もあって…と思われがちであるが、実際に話を聞いてみると、それは“普通の人”が努力によって得た結果だということが理解できることもある。マッスルゲート東京・ビキニ35歳未満163㎝超で優勝を果たした片岡彩香選手も、これまで何度もダイエットを失敗してきた“普通の人”だった。
「大会出場はこれが初めてです。トレーニング歴は約1年で、ダイエット目的で始めました」
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幼いころから大柄で、自分の体型にコンプレックスを抱いていた片岡選手。ピーク時は、現在よりも20kgも体重が重たかったという。
「私はこれまで痩せていたことが一度もなかったんです。糖質制限とか、『〇〇だけ食べるダイエット』とか、いろんなダイエットをやってきましたが、失敗して、リバウンドして…の繰り返しでした」
そして、痩せるために筋トレを始めるべく、昨年6月にゴールドジムに入会。モチベーションの向上につなげるために目標としたのが、コンテストへの出場だった。
「『痩せたい』以外の目標がほしくて、ジムでいろんな選手を見ている中で『私も出たい!』と思うようになりました。食事はしっかりと摂るようにしました。無理やりダイエットをしている感じではなく、『トレーニングが楽しい』『ジムに行くのが楽しい』という感覚で毎日を過ごせました」
当初は、今年5月30日に地元の大阪で開催されるJBBFの大会「キング・オブ・フィジーク」に出場する予定だったとか。しかしながら、5月上旬に緊急事態宣言の影響で大会自体が中止に。デビュー戦に向けて調整を進めていた片岡選手が急きょエントリーを決めたのが、同日開催のマッスルゲート東京だった。
「だから、マッスルゲート東京への出場を決めたのは5月7日でした。次は、もし開催されるのであれば、JBBFの大会に出たいです」
結果、1年間で13kgのダイエットに成功。初戦となったマッスルゲート東京ですばらしい仕上がりを披露し、見事な成績を収めた。
「これで自分に自信がついた? まだまだ頑張らないといけないんですが、『(私にも)できるんだ』って思いました」
表彰台に立てるのは、“特別な人”たちだけではない。
(取材:藤本かずまさ 撮影:中島康介)
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執筆者:藤本かずまさ
IRONMAN等を中心にトレーニング系メディア、書籍で執筆・編集活動を展開中。好きな言葉は「血中アミノ酸濃度」「同化作用」。株式会社プッシュアップ代表。