東京に4度目の緊急事態宣言の発令が決定し、スポーツを含む多くのイベントが開催・延期・中止・無観客などの選択を迫られている。ちょうど昨年のこの時期も世界はコロナ禍の真っ只中にあり、オリンピックをはじめたくさんのイベントが中止・延期を余儀なくされた。特に活動期間に限りがある学生アスリート、高校生アスリートの事態は深刻で、引退試合を迎えられずに競技生活を終えねばならぬ無念さは計り知れないものがある。
7月3日、仙台で開催されたマッスルゲート東北大会。そこで、メンズフィジーク176㎝以下級(6位)、メンズフィジーク大学生の部(優勝)、ボディビルジュニア(3位)、クラシックフィジーク大学生の部(優勝)と1日で4カテゴリーも出場した選手がいる。昨年10月のマッスルゲート札幌大会でコンテストデビューしたばかりの池崎拓人選手。現在大学4年生で、昨年のコロナ禍以前は硬式野球で活躍していたという。
【写真】フォトギャラリー 杜の都に筋肉戦士参上!7.3マッスルゲート東北
「でも、試合が中止になってしまって、その間もジムは空いていたのでトレーニングだけは続けていたら、そこでこういう大会があることを知りました」
そこで池崎選手は大学野球を辞め、コンテスト選手になることを決意。初戦となるマッスルゲート札幌大会メンズフィジーク176㎝以下級で2位という成績をおさめた。
「僕は野球では試合には出ていたんですが、全国大会には行けませんでした。でも、去年マッスルゲートに出てみて、もしかしたらこの競技ならば全国大会に手が届くかもしれないと思ったんです。僕は野球ではこれといった特徴はありませんでした。でもトレーニングはやっていて、パワーがあったので試合に器用してもらっていました。コンテストに出てみてたら、トレーニングをしてきたことがさらに生かされた。そこで(野球よりも)こっちのほうが向いてるんじゃないかと思ったのもあります」
その後はマッスルゲート福岡大会、石川大会に出場するも決勝には進出できず。そこからさらに奮起して、6月27日の群馬オープンにエントリーし、メンズフィジーク176㎝以下級で2位。今年2戦目となるマッスルゲート東北大会では出場全カテゴリーで決勝進出。全国大会であるオールジャパン選手権、ゴールドジムJAPAN CUPの出場権を手に入れた。
「今後は宮城県ボディビル、岩手県ボディビル、埼玉県メンズフィジーク、 オールジャパン選手権、全日本ジュニアボディビル、マッスルゲート札幌、ジャパンカップに出るつもりです。とにかく今年はたくさんの大会に出ると決めていたんですが、7割ぐらいの仕上がりで出るのではなく、最初から絞り切った状態で臨みました。これからもっと絞ってもっと上の賞を取れるようにがんばります」
今年はすでに終えた群馬オープン、マッスルゲート東北大会を含め9大会に出場する池崎選手。野球で果たせなかった夢を筋肉で追いかける。
(取材:藤本かずまさ 撮影:中島康介)
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執筆者:藤本かずまさ
IRONMAN等を中心にトレーニング系メディア、書籍で執筆・編集活動を展開中。好きな言葉は「血中アミノ酸濃度」「同化作用」。株式会社プッシュアップ代表。