5月の東京ノービスボディビル選手権75kg超級で優勝したことが話題になった元祖筋肉芸人「なかやまきんに君」こと中山翔二選手が、8月7日に愛知・ラグーナテンボスで開催された「マッスルゲート愛知」に参戦。ボディビル75kg以下級に出場した。中山選手にとっては、東京ノービス優勝以来のコンテスト出場となる。
「7月の東京クラス別選手権への出場を考えていたんですがスケジュールが合わなくて出られず、次は8月21日の東京選手権に出ることを決めていたんです。その2週間前に(このマッスルゲートが)あって、東京選手権の前に調整や仕上げの面などでいろんな実験をするのにちょうどいいタイミングだったので(出場を決めました)」
また、ラグーナテンボスではゴールドジムのコラボ企画「マッスルプールパーク」を開催中。8月7日のイベントゲストが、「なかやまきんに君」だった。このイベントへの出演は4月の時点で決まっており、中山選手はイベント出演とコンテスト出場を同日に完遂した、おそらく史上初の芸人となった。
「ただ、もしかしたら選手の集合時間に間に合わず、失格になってしまう可能性もあったんです」
ラグーナテンボスは広大な面積を誇るテーマパーク。コンテスト会場とイベントが開催されるプールは同じ場所ではなく、その間にはそれなりの距離が存在した。中山選手のイベント出演は13時15分と18時15分の2回。予選審査開始の見込み時間は12時30分ごろ。当初、中山選手は「予選→イベント出演→決勝→イベント出演」という青写真を描いていたという。
ところが、コンテストの進行が押してしまったため予選審査への出場が微妙に。イベント出演時間とのバッティングは何とか回避されたものの、一時は予選に出られずそのまま失格というピンチに陥った。
「そこから炎天下の中、走ってプールまで行って、ポージングをして、そして炎天下の中、また走って試合会場に戻ってきました」
水も飲まずにダッシュで決勝審査に戻ってきた中山選手は、ボン・ジョヴィの「It's my life」をバックに力強いポージング。今回は2位という結果に終わり、惜しくも優勝を逃したものの、試合出場とイベント出演の両立にも成功し、充実した時間を過ごせたようだった。
「今日はとても楽しかったです。東京ノービスで優勝をしたからといって、(守りに入って)次の大会は大事にしたいとか、そういう意識は僕にはありません。ボディビルは思い立ってパッと出られるようなものではありません。スケジュールが合うところで、どんどん挑戦していこうという気持ちはあります。1回1回のトレーニングや大会を大切にしていきたいと思っています」
試合終了時刻は17時50分。記者の質問に答え終えた中山選手は休憩を取ることもなく、18時15分開始のイベントに向かって走り去った。
取材・文:藤本かずまさ 撮影:中島康介
執筆者:藤本かずまさ
IRONMAN等を中心にトレーニング系メディア、書籍で執筆・編集活動を展開中。好きな言葉は「血中アミノ酸濃度」「同化作用」。株式会社プッシュアップ代表。