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わざわざサッカー部を休部してボディビル部を立ち上げた大学生

未だ収束の兆しが見えないコロナ禍。そんな状況下で一人、ボディビルに情熱を燃やす若者がいる。8月22日に神戸で開催されたマッスルゲート関西。そこでコンテストデビューを果たした中山海風選手は現在、大学2年生。こう見えて(どう見えて?)、福岡トップクラスの進学校・修猷館高校を卒業して広島大学に進学した、偏差値高い系ビルダーである。

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「高校ではサッカー部で、筋トレは補強程度にやっていました。部活を引退したあとにもっとトレーニングをやりたいと思って、そのころは受験勉強もあったので自宅に器具を買ってもらって鍛えるようになりました」

当時から何となくボディビルには関心があったものの、テレビで見かけたボディビルダーに憧れを抱く程度。自分がやるべき競技という認識はまだなく、どちらかと言えばボディビルよりもメンズフィジークのほうに興味を覚えていた。

「そして大学でもサッカー部に所属するようになったんですが、サッカーをやりながら趣味程度に筋トレも続けようと思っていたんです」

しかし、コロナによる自粛期間中、サッカー部の活動はストップ。結果的に筋トレ以外にやることがなくなった中山選手の胸に、ある感情が芽生え始めた。

「器具を実家から持ってきて自宅で筋トレをやっていたら筋肉がついてきて、それで次第にボディビルに興味を持つようになりました。(自粛期間が空けて)部活が始まったころが、部活を続けながら筋トレを並行して、いつの日かボディビルコンテストに出たいと思うようになっていました」

ボディビルへの情熱は時間の経過とともに膨れ上がっていき、ついにはサッカーから離れてボディビル一本に絞ることを決意。昨年のシーズン終了後からサッカーを休部し、コンテストデビューを目指した。

「サッカー部には『ボディビルをやりたい』と申し出ました。(今回のデビューにあたっては)広島の『レモンジム』でポージングを指導してもらいました。毎週土曜日にポージング練習会をやっていて、そこに通いながら練習できたのが大きかったです」

マッスルゲート関西では4カテゴリーにエントリー。大学の部、新人の部では優勝。ジュニアの部では4位、ベテランたちに交じって闘った70kg以下級でも7位と健闘を見せた。

「広島大学には『ウエイトレーニング部』というものがないんです。だから、僕が作って、来年からは広島大学として学生ボディビル連盟に参加したいと思っています。サークルとして(設立を大学に申請して)この夏に認可される予定です」

学生ボディビル選手権で広島大学の選手たちが活躍するようになる日も近いか。

取材・文:藤本かずまさ 撮影:中島康介


執筆者:藤本かずまさ
IRONMAN等を中心にトレーニング系メディア、書籍で執筆・編集活動を展開中。好きな言葉は「血中アミノ酸濃度」「同化作用」。株式会社プッシュアップ代表。

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