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教員を退職し、人生を懸けてフィットネス競技に挑む元高校教師の物語【マッスル】

ときに筋トレは人生を大きく左右することもある。10月3日、福岡で開催されたマッスルゲート九州大会。このステージに、自身の今後の生き方をステージに懸けて臨んだ男がいた。メンズフィジーク176㎝超級で5位入賞、クラシックフィジーク新人の部と175㎝超級では優勝を果たした有村壮大選手がその人だ。

【写真】クラッシックフィジークの醍醐味“バキュームポーズ”を決める有村壮大選手

「今年の8月まで高校、そして小学生では臨時で保健体育の教員をやっていました。大学生のころからトレーニングを始めて、仕事をしながらトレーニングをやるという日々を送っていました」

そして昨年、トレーニングの一つの集大成としてメンズフィジークの大会に出場。そこでこれまでに感じたことなかった、フィットネスの楽しさを覚えたという。

「ここに全力を注ぎたいと思ったんです。そこから競技者として、またパーソナルトレーナーとして人生を切り開きたいと考えるようになりました。好きなことを仕事にしている人がすごくかっこよく思えて、今の僕はトレーニングにすごく打ち込めていて、もしかしたらこれこそが僕が一番輝ける場所なんじゃないかと思うようになりました」

そして有村選手は退職を決意。当然のことながら、周囲からは猛反対されたという。

「親からは反対されました。周りの人からも『大丈夫か?』と心配されました。でも、僕はやはりやりたいことをやりたかったです。1年間気持ちがくすぶっていたのに踏ん切りがついて、退職を決意しました。コロナ禍で生徒たちには会えなかったんですが、最後に『僕も頑張るから君達も頑張ってね』というメッセージを残してきました」

今回のマッスルゲート九州大会は昨年のデビュー戦以来の試合となる。フィットネス競技者としては、今後はクラシックフィジークに軸足を置いていきたいという。しかし、パーソナルトレーナーとしては就職先や契約先が決まっているわけではなく、全く白紙の状態。この10月に状況して、トレーナー要請スクールでイチから学んでいく。

「死ぬときに『あのときこうすればよかった』と思うのが一番後悔が残ることだと思います。人生を懸けてこの世界で頑張っていきます」

まさに身体一つでフィットネス業界に込んだ有村選手。将来、オールジャパン選手権などの大きなステージで活躍する日がくるか。

取材・文:藤本かずまさ 撮影:中島康介

【写真】クラッシックフィジークの醍醐味“バキュームポーズ”を決める有村壮大選手


執筆者:藤本かずまさ
IRONMAN等を中心にトレーニング系メディア、書籍で執筆・編集活動を展開中。好きな言葉は「血中アミノ酸濃度」「同化作用」。株式会社プッシュアップ代表。

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