「ヴィンテージ大研究」とは?
ゴールドジムをこよなく愛し、ゴールドジムのヴィンテージウェアの収集に余念のない、ハードなゴールドジムマニアのゴールドジム公認パーソナルトレーナー宮野成夫さんがウェアの変遷を紹介していく。
高校時代、プロレスが大好きだった私は、筋骨隆々のプロレスラーたちが着ていたピッチピチのゴールドジムTシャツやジャージー、ジャケットが欲しくて、欲しくて、たまりませんでした。しかし残念ながら、その時代はまだ日本にゴールドジムなど存在せず、もちろんインターネットなどもありませんから、海外から商品を購入するということは非常に困難だったわけです。
ある日、都内の洋書店でマッスル&フィットネス誌を手に取りました。現在ではソフトなフィットネス系の月刊誌のイメージですが、80年代初頭の同誌はコテコテのボディビル専門誌、かなりハードコアなビルダーの写真と記事で埋め尽くされていましたね。
そして毎号、後ろのほうのページにゴールドジムウェアの広告がカラーで掲載されていたんです。その広告の下部には注文書も記載されており、それを切り取って送金すれば商品が買えるシステムでした。
ただし、それはアメリカ本土での話。ここは日本ですし、個人輸入のレベルで発注したところで、本当に商品が届くのか?
しかも当時は1ドル270 〜280円、送料も加算されて、Tシャツ1枚買うのも高額で、非常にリスクを背負うことになります。
毎月洋書店に通っては、ゴールドジムの広告を眺め、アメリカのゴールドジムマニアを羨ましく思ったものでした。
その広告の中でもひと際カッコよく見えたのが、今回ご紹介するゴールドジムジップアップパーカー。
薄手で軽量、その辺の市販品のパーカーにプリントしただけのものでは全くなく、パーカーからして完全オリジナルデザイン。とても凝った作りです。
アメリカで作られたものではなく、メイドイン台湾。当時、台湾製の衣類は縫製技術が優れていることで定評がありました。薄いグレーの素材にイエローのGOLD'SGYMのロゴがとてもよくマッチしています。
このパーカーにも実は対となるパンツもセットで販売されていたようですが、私は未だそのパンツの現物を残念ながら見たことはありません。
ぜひ、日本のゴールドジムでも復刻してもらいたいヴィンテージウェアのひとつです。
宮野 成夫 みやの・なりお
1965年8月5日生まれ。兵庫県出身。プロテインの老舗メーカー、健康体力研究所勤務を経て、現在はゴールドジム公認パーソナルトレーナー、スタジオトレーナーとして活躍中。また35年以上のキャリアを持つ、マッスルマニアプロボディビルダー。ゴールドジムをこよなく愛し、ゴールドジムのヴィンテージウエアの収集に余念のない、自他共に認めるハードなゴールドジムマニアでもある。