「ヴィンテージ大研究」とは?
ゴールドジムをこよなく愛し、ゴールドジムのヴィンテージウェアの収集に余念のない、ハードなゴールドジムマニアのゴールドジム公認パーソナルトレーナー宮野成夫さんがウェアの変遷を紹介していく
皆さんは日本のゴールドジムラウンジやジムが発行する会報誌の中で、トム・プラッツ、マイク・メンツァー、クリス・ディカーソンら70〜80年代前半に活躍したプロボディビルダーたちが当時のジムメンバーさんたちとジムの前で一緒にカメラに収まっている記念集合写真をご覧になったことがありますか?
何年の何月何日に誰によって何の目的で撮影された集合写真なのかの詳細は不明ですが、おそらく撮影されたのは80年代始めの頃でしょう、今となっては非常に貴重な1枚です。伝説のボディビルダーの元気な姿が確認できるばかりでなく、選手や一般ジムメンバーのほとんどが当時のゴールドジムウェアを着用して写っているために、ヴィンテージ品を研究する際の貴重な資料にもなり得るからです。
当時、ジム内のショップで販売されていたのであろう、さまざまなデザインのゴールドジムウェアが、その1枚の写真の中で確認することができます。
そして今回ご紹介するのは、その有名な集合写真の中でもその存在が確認できる70年代のレトロジャージー。
写真の中の選手は、このジャージーの色違い……ネイビーを着用しています。大き過ぎるくらいの襟、袖には白の3本ライン、左側のみ脇腹下にジップで開閉可能なポケットが付いています。
今の視点では何とも古臭くて不格好に見えるジャージーではありますが、約40年前の物にしては生地や縫製もしっかりしており、まだまだ十分に現役のウェアとして活躍してくれるとても貴重なヴィンテージ品です。製造国は70年代のものによく見られる台湾で、縫製が丁寧なことでよく知られています。背中には例によって、ゴールドジムのオリジナルロゴマーク(クラシックジョー)が大きくプリントされており、当時としてはかなり斬新なデザインです。
後の90年代に入ると、アディダスやナイキなどの大手スポーツメーカーも自社のロゴマークをウェアの背中に大きくプリントし、そのブランド力を誇示するデザインも増えます。
しかしながら、ゴールドジムはその手法を70年代にすでに確立していたわけですね。
ゴールドジムウェアをデザインした当時のデザイナーさん、その先見の目にも驚きを感じるのは決して私だけではないでしょう。40年前の燦々と照りつけるサンタモニカの太陽をいっぱいに浴びたこのレトロジャージーには、当時のゴールドジムで鍛え上げたボディビルダーの夢と希望が宿っているに違いありません。
宮野 成夫 みやの・なりお
1965年8月5日生まれ。兵庫県出身。プロテインの老舗メーカー、健康体力研究所勤務を経て、現在はゴールドジム公認パーソナルトレーナー、スタジオトレーナーとして活躍中。また35年以上のキャリアを持つ、マッスルマニアプロボディビルダー。ゴールドジムをこよなく愛し、ゴールドジムのヴィンテージウエアの収集に余念のない、自他共に認めるハードなゴールドジムマニアでもある。