日本第1号として、東京・用賀にオープンした「UFC GYM」をご存じでしょうか?
UFCアスリートと同等の最先端設備、 最新トレーニングメソッドを受けられると話題になり、全米に100ヵ所以上、全世界で600ヵ所と拡大を続け、「今、世界で最も成長しているフィットネスジム」のひとつと言われているフィットネスジムです。
今回は、運営を手掛ける株式会社Better-U代表取締役社長のハリー・A・ヒル氏に、ジムのコンセプトや魅力を伺った。
── 話題UFC GYMを初めて見学させていただきますが、エントランスを囲むように広がる回廊式のジムは、それぞれのエリアで明確なコンセプトがあるようですね。
ヒル ええ、さっそくご案内させてください。私はこのジムを案内するとき、まず、このマシンエリアからスタートします。ジムの3つのビジョンが壁に描かれているからです。
── 「 Train Different,Learn Different,Be Different 」ですね。 最初の「 Train Different 」は世界中のUFC GYM 共通のコンセプトでもあります。
ヒル まず、UFC GYMと他のジムとの最大の違いは、UFCアスリートと同じトレーニング環境をどんな方でも体験・享受できるということです。UFCアスリートの実力は皆さんよくご存じだと思いますが、彼らは単に生まれ持った身体能力や技術的センスだけで世界一になれたわけではありません。優れたトレーニング環境も彼らの体力や技術力アップに大きく寄与しています。
── 上海やラスベガスには巨大トレーニングセンターもすでにオープンしていますね。
ヒル 「UFCパフォーマンス・インスティテュート」ですよね。トップアスリートが利用するその施設はもちろん、全世界のUFC GYMでもUFCアスリートがトレーニングやコーチをしています。それらの見地に基づき、我々のジムでも世界最高峰のトレーニングメソッドと最先端テクノロジーや設備を採り入れているのです。
第一のコンセプトは「コンディショニングとライフスタイル」
── 「UFC GYM」の名称から、 格闘技中心のトレーニングをイメージしてしまいますが。
ヒル 「 Train Different」の中にはもちろん「武道と格闘技を身につけ、その素晴らしさを広めていく」というコンセプトもありますが、実は順番としてはむしろ二番目で、我々が考える第一のコンセプトは「コンディショニングとライフスタイル」です。
── コンディショニングとは「体を整える」ということですか?
ヒル 体の基礎づくり、体力の土台づくりという感じでしょうか。格闘技をはじめ、どんなスポーツに取り組むにしろ、それぞれの動作や技術に柔軟に対応できる体をまず作ることが必須ですよね。より健康寿命を延ばすような、あらゆるスポーツに対応できるような、広い意味での「柔軟性」をもつ、体づくり。それがUFC GYMの大きな特長です。DUT ( Daily Ultimate Training )は、このコンセプトをベースとしたUFC GYM独自のトレーニングです。
DUT :Daily Ultimate Training とは?
── DUTについて、ぜひ具体的に教えていただけますか。
ヒル DUTは全世界のUFC GYM共通のメソッドで、コンディションを中心としたファンクショナルトレーニングです。我々のジムでは1クラス6名から12 名で1日50分のグループレッスンを行いますが、日によって有酸素運動メイン、無酸素運動メインなど飽きさせず全身に効かせる、全身を目覚めさせるメニューを組んでいます。
── こちらのDYTエリアの壁には 「 Endurance,Determination 」の文字も見えますね。
ヒル 日本語なら「根性と集中力」 という意味でしょうか。DUTは体力、気力の限界にチャレンジするようなメニューですから、ある意味精神づくり、メンタル強化の時間でもあります。このエリアには大きいモニターがありますよね。実はここに参加者全員の心拍数などバイオデータが表示されるんですよ。
バイオデータをとり 一人ひとりにとってベストのメニューを作る
── 一人ひとりがハートレートモニターのようなものをつけているのですか。
ヒル その通りです。ジムのアプリにバイオデータがすべて記録されますし、トレーニング中も表示されるので、その人が限界の何%まで達しているかが分かる。たとえば 50分のレッスン中、この時間帯ならMAX の50%、次の時間帯は80%など指導の目安になります。また、同じ種目をやってもらう際も、それぞれの人の数値によって実施回数や負荷を変えたりもできます。
── データを見ることで、よりきめ細かい指導ができるのですね。
ヒル まさに、このジムでやりたいことがそれなんです。コーチが会員一人ひとりにとってベストのメニューをつくり、指導をする。
── そういえば、指導スタッフは「COACH」という文字のジャケットを着ています。トレーナーではなく、あくまでコーチですか。
ヒル トレーナーとコーチの線引きや区別というのは人それぞれだと思います。我々の場合は皆さんに平等に、トレーニングや競技にまつわる知識、技術を教える指導者を「トレーナー」、個人、個人の体力、体調に合わせたベストの指導をしたり、励ましの言葉をかける人を「コーチ」 と区別しています。この指導を実現するためにも、データを取ることはとても重要ですし、ジム全体をできる限りデジタル化したいとも考えています。
デジタル化で最先端な設備
── バイオデータのほかに、どのようなものがありますか。
ヒル 分かりやすいところでは受付です。混み合う時間帯では待ち時間がストレスになりますよね。バーコード認証によりワンタッチで入館できるというシステムはもちろんですが、今後は館内のいたるところにカメラを設置し、エントランスに近づいた時点で顔認証ができるようにする予定です。そうすれば、お子さんが一人でジムに来た時も、顔が見えた時点で保護者に「今入館しました」 または「今ジムを出ました」と連絡できます。
── 顔認証ができれば、会員さんがどのくらいジムに滞在して、どんなトレーニングをしたか、なども分かりますね。
ヒル ジムの中のマシンの稼働率などのデータも蓄積できますから、皆さんの今の嗜好、トレンドも把握でき、より質の高いトレーニング環境を提供できるでしょう。これこそ、まさに「 Train Different 」ではないでしょうか。