Woman'sSHAPE編集部
意外と知らない?
食事と栄養のウソ・ホント
皆さんは、日々正しい食事を取れていると思いますか?
“お家じかん”が増え、運動不足になると、免疫力の低下が心配。
間違ったダイエットで免疫力を落とさないためにも、しっかりと栄養について考えましょう。
ここでは、食事や栄養にまつわる素朴な疑問に答え、よりよい食生活を送れるためのアドバイスをご紹介します。
解説いただくのは、日本大学文理学部の松本恵先生です。
ダイエット中に、油は禁物?
極端に体脂肪率を減らすボディビルダーなどは、短期間の減量の手法として油を避けることがありますが、脂質も糖質と同じく、全く摂らなければ生命の維持に関わってきます。特に女性の場合は、脂質を全く摂らないと、ホルモンバランスが崩れて生理が止まってしまい、不妊につながりかねません。さらに、疲労感や筋肉痛、関節炎の原因にもなるため、最低限必要量は摂る必要があります。
朝はグラノーラ、昼はノンオイルドレッシングのサラダ、夜はささみ蒸しなどとなると、脂質が圧倒的に足りません。少なくとも1週間以上そういった食生活をしていると、免疫力が低下するだけでなく、肌が荒れて髪がパサついてきてしまいます。油を摂らない生活を続けると、胃腸での分解・消化能力が落ちるので、たまに食べたときに下痢をすることにもなります。私が栄養サポートしている選手たちには、そうした機能を低下させないためにも、たまに脂っこいものを食べる日を設けてもよいと話をしています。
ダイエット中の脂質摂取に罪悪感があるのであれば、亜麻仁油やココナッツオイルといった植物性のオイル、カシューナッツなどのナッツ類を摂るなどして、必要量を確保してください。
糖質制限はしないほうがいいの?
糖質の摂取基準は、摂取エネルギー比率の50〜60%だとされています。しかし、それはある程度の活動があることが前提です。1日に2000歩しか歩かないような人にとっては、高すぎる基準なのではないかと言われるようになってきています。そう考えると、ほとんど動かない人は、糖質の比率を40%程度に抑えたほうがよいという考え方もあります。
ただし、スタジオレッスンに通うなど、きちんと活動量を確保している人は、従来の基準で糖質を摂らなくてはなりません。糖質は体を動かすエネルギー源なので、きちんと摂取していないと、運動中に低血糖になるなど、エネルギー不足に起因するあらゆる体の不調を招いてしまうのです。
極端に糖質を制限すると、一時的に体重は落ちますが、少ないエネルギーで体を動かせるように体が省エネモードになり、かえって太りやすくなってしまいます。また、女性の場合は無月経になるなど、深刻な問題につながりかねません。
入院している糖尿病患者ですら、お米は毎食150〜200グラムなど、多いくらい出されています。ご飯を抜くということは、医療行為でも行われないのです。もし、糖質過多になっていると自分で感じる人は、主食を抜くのではなく、まずはお菓子やジュースといったものから見直してください。どんなに動かなくても、主食が必要ない人はいません。バランスよく食べた上で、総摂取量を抑えることを考えてみましょう。