新型コロナウイルスの猛威は収まることを知らず、いまだ感染拡大が続いている。コロナ禍での免疫維持について、桑原弘樹氏に伺う。コロナ禍を乗り切るために、日常でできる基本的なことから始めよう。ワクチンのような「獲得免疫」ではなく、自分の意識を高めれば獲得することができる「自然免疫」を上げるには食事バランスをしっかり取ることが大切です。そこで今回は「食事のバランスを取るためのポイント」についてご紹介いたします。
文:飯塚さき
桑原 弘樹(Hiroki Kuwabara)
1961 年4月6日生まれ 愛知県出身。立教大学卒業後、江崎グリコに入社。スポーツサプリメント事業を立ち上げ、スポーツフーズ営業部長などを歴任し、現在はアドバイザー。桑原塾を主宰し、100人以上のトップアスリートのコンディショニング指導も行っている。
食事のバランスを取るためのポイント
食事の面では、栄養素の過不足をなくすこと。過も不足もいけません。特に減量期は、栄養の「不足」が出てくるので、普段以上に免疫維持に努めないと、身体がへたります。そして、食事のバランスをとること。カロリーのつじつまさえ合えばいいのではなく、三大栄養素とビタミン・ミネラル、食物繊維のトータルでバランスをとることが、ATPが作られやすくなるポイントです。もちろん、個人差があるのは承知の上ですが、朝・昼・晩の具体的な食事のアドバイスをします。
3食それぞれの三大栄養素のバランス
朝は、比較的ボリュームが足りない人が多く、栄養は不足気味です。とりわけタンパク質が足りないことが多いので、朝は全体のボリュームとタンパク質を増やします。
昼食は、脂質を減らすこと。ダイエットを意識している人でないと、昼の脂質が多くなりがちです。さらに、プロテインを飲んでいない限り、やはり昼もタンパク質が足りていないので、意識的に摂るようにしましょう。
そして夜は、糖質が過剰にならないように気を付けることです。
1日のトータルバランスは大事ですが、3食それぞれのバランスを整えることも大切です。ここで役立つのは、やっぱりプロテイン。朝や昼に補うことで、各食事のバランスを是正しやすくなります。
ビタミン・ミネラル
次に、ビタミン・ミネラルの重要性についてです。ビタミンとミネラルがないと、三大栄養素がATPに変わる際の効率が落ちます。化学反応のスムーズさが損なわれるのです。ビタミンは補酵素として使われるので、ビタミンがないと酵素が働けず、反応が進みません。一方で、ミネラルにも補酵素の役割がありますが、一番のポイントは、カルシウムや鉄などのように、身体の材料になることです。どちらも微量栄養素であり、ビタミンが補酵素としてしっかりと働くためにもミネラルが必要である点から、この2つは非常に相性がいいと言えます。まずは、トータルマルチビタミン・マルチミネラルを摂るようにしましょう。
食事バランス
最後は食物繊維。カロリーはありませんが、消化吸収スピードや腸内環境を整えてくれる大切な成分です。よく嚙んで食べることも、消化吸収をよくすることにつながります。ここまで、真新しいことは言っていませんが、おろそかにするとATPの生産効率が落ちるので、これらを徹底し、自然免疫を維持していきましょう。