6月になり、2020年も折返しました。皆さんにとって残り半年はどんな年になるのでしょうか。
2020年の始めに、サプリメントマスター桑原先生に、今年フィットネス界でトレンドになりそうなものを予想していただきました。
2020年中間地点ということで、今回はもう一度、桑原弘樹先生の2020年トレンド予想を振り返ってみましょう。
桑原 弘樹(くわばら ひろき)
桑原塾 主宰。
スポーツサプリメント『パワープロダクション』の産みの親。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&トレーナー協会)PDA。
武藤敬司氏率いるW-1(レッスルワン)コンディショニングコーチ。
国内外のトップアスリートに対して独自のコンディショニング指導を行い、各種スポーツ誌への執筆や講演会を実施するなど多方面にわたって活動中。
ファッションや音楽などと同様に、食事やサプリメントにも流行り廃りがあります。特に、マスコミの影響や食薬区分の改定がきっかけで、ブームやトレンドが作られると言えるでしょう。
例えば、CoQ10やカルニチン、αリポ酸などもそうです。
昨年は、必須アミノ酸のEAAが、非常に認知度を上げた印象があります。そこには、美容やダイエットというよりも、「筋肉」がキーワードになっていると感じています。
国は、ロコモティブシンドロームやサルコペニア、フレイルといった高齢者に向けた警告を発してきましたが、なかなか反応がありませんでした。人は、危機感をあおられると、ワクワクはしないので長続きしないのです。
しかし、最近はボディビルからフィジーク、ベストボディ、フィットネスと、筋肉をキーワードにすそ野が広がってきて、危機感ではなく前向きな注目をされるようになりました。そして、ベーシックだったはずの必須アミノ酸が注目度を上げてきたのです。
「糖質制限ダイエット」の見直し
逆に、悪とされてきたのが糖質です。昔は脂質を抑えようとされていましたが、「糖質制限ダイエット」は、今やブームを通り越して定着していると言えるのではないでしょうか。
しかし、近年は行き過ぎた印象を与えている気がします。その呼び戻しとして、今後糖質が見直される流れが来るのではないかと、私は考えます。
「ATP」とは?
私たちの体は「糖質」「脂質」「タンパク質」の三大栄養素を取り込むようにできています。
栄養素を取り入れる究極の目的は、ATPというエネルギーを作ることです。ATPがないと、数分しか体がもたないくらい重要なものなのですが、ATPは体内で貯蔵しておくことができません。
60兆個あると言われている人間の細胞一つひとつが、常にATPを作り続けており、その過程の最も川上にあるのが、カロリーを持つ三大栄養素なのです。この原点が非常に大切です。