3月28日(日)、日本武道館で開催されるビッグマッチ「K-1 WORLD GP 2021 JAPAN~K’FESTA.4 Day.2~」で武尊(K-1GYM SAGAMI-ONO KREST)に挑戦することが決まっているレオナ・ペタス(TEAM TOP ZEROS)。Fight&Life Vol.83に掲載したLARA TOKYO会長の半澤英俊氏とのインタビューの中で「今はもう『勝ってみろよ』という気持ちです」と語っている。今回はそのインタビューを全文掲載。
試合決定から半年以上を経て、ついに3.28日本武道館大会で武尊と拳を交えるレオナ・ペタス。この間、ずっと追い込みレベルの激しい練習を続けているという彼が達した境地とは? そしてレオナが「世界一のトレーナー」と言う半澤氏は、そんなレオナをどう見つめているのか。
取材・文:高崎計三 撮影:木川将史
──前号に続いて、「LARA TOKYO」にお邪魔することになりました。
レオナ 何度もありがとうございます(笑)。
──前号の時点では、1月に兄弟で2日連続王座挑戦の予定だったのでその話が中心でしたが、レオナ選手の武尊戦は延期になり、3月に行われることが決定しました。
レオナ はい。緊急事態宣言が延長されたりもしたのでどうなるかと思っていたんですが、思ったより早い時期に決まってくれて、よかったです。まあ1回目の延期はケガだから仕方ないと思うし、僕もケガで欠場になってしまって、相手選手に迷惑をかけたこともありましたから。2回目は緊急事態宣言の影響で、この状況だからやっぱり仕方ないなと思いました。逆に「どうなんだろう?」という感じでみんなが不安な中、試合をするよりもよかったと思います。1月だったら、会場に来たくても来られなかったという人もいると思いますし。
──そもそも、半澤トレーナーとレオナ選手が、最初に知り合ったのはいつのことなんですか?
半澤 江古田に来てからだよね。
レオナ 僕が高校生の時ですね。入間市の実家から池袋に通っていたので、その途中にあった江古田のジムに行くようになって。半澤さんはそこのトレーナーでした。
──半澤さんはまだ現役の選手だったんですか?
半澤 いえ、もうその頃は引退していて、トレーナーとしてジムにいました。
──最初に会ったときの印象は覚えていますか?
半澤 うーん……印象ないですね。
レオナ マジですか!(笑)
半澤 最初は会員の一人という感じですからね。そのうちアマチュア大会に出たりするようになったころには、真面目に練習しているなと思いました。
──その頃から練習熱心だったんですね。レオナ選手は?
レオナ 怖そうだなって(笑)。本当はそんなことないんですけど、口数が少ないじゃないですか。だから最初はそう思いました。
──でもその後はレオナ選手のキャリアに欠かせないトレーナーになるわけだから面白いですよね。今、レオナ選手にとって半澤さんはどういうトレーナーですか?
レオナ マイペースの僕に自由にやらせてくれるし、僕はただ「やれ」と言われるのではなく、練習でもやることの意味をしっかり分かってやりたいタイプなんですよ。半澤さんは、何のためにそれをやるのかとかを言葉で説明してくれるので、合っているなと思います。
半澤 レオナは、自分が納得いかないとやれないタイプなんですよ。だからそこはしっかり説明するようにはしていますね。
──前回の取材で驚いたのは、レオナ選手が武尊戦が決まった8月頃から、ずーっと追い込みレベルの練習をしていると聞いたことでした。さらに3月まで時間があるわけですが、そこは変わらない?
レオナ 変わらないですね。前回の取材のときは「また試合が延びたら死にます」なんて言ってましたけど、結局、追い込みをやり続けてます。もう、ヤバいことになってますよ(笑)。
半澤 もともと休まないですからね。まあ以前に比べたらキャリアも重ねたので、自分で考えて休むようにはなりましたけど。去年の11月、K‒1の大会で福岡に行ったときも、「向こうで練習がしたい」って言ってましたから。
レオナ やりましたけどね(笑)。僕がいつもやりすぎるんで、半澤さんの体が大変なんですよ。
半澤 去年、腰をやっちゃいましたからね。しばらく動けなくなりました。
──大変じゃないですか。しかし最初の決定から実際の試合までこれだけ延びて、しかも間にはいったん1月に「決定→延期」ということもありました。気持ちの面に影響はないですか?
レオナ いや、その影響は特にないし、試合への自信も変わらないです。むしろこの間にどんどん強くなってるので、試合がどんどん楽しみになってきてます。
──状況をポジティブにとらえてるんですね。
レオナ 試合までの期間が長くなって、それだけ練習して強くなれているので、僕にとってはメリットしかないですね。
──対策もさらにやっているということですか?
レオナ 対策というか、さらにいろんなことを想定しているという感じですね。これだけ長い期間、1試合のために集中するというのも初めてですから。もう、相手がどう来ても問題ないというところまで来ています。あとは自分の力とか技術を伸ばす練習をずっとやってきているので、自分が強くなっているという実感はすごくあります。
──勝つ自信は最初から口にしていましたが、その自信がさらに深まっているということですね。
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