格闘技

[緊急インタビュー]“女子格闘技界のパイオニア”RENAはコロナ自粛の状況をどう捉えているのか?

日本人は、人類は絶対に負けない

──SBはもちろんRISEでも女子大会が開催されるなど、女子格闘技も盛り上がりを見せています。女子格闘技界のパイオニアとして、今の若い選手で気になる存在はいますか?

RENA みんな本当に頑張っていますから、特別に誰かというのは挙げにくいですね。

──RENA選手がベテランの域にいる中で、RENA選手以上の存在感を出している選手はいません。そこでもっと頑張って欲しい、私に噛みついて欲しいと思うことはないですか?

RENA もう丸くなってしまったのか、それはないですね(笑)。私もプロとして色々なことを犠牲にしてここまで最前線を走ってきた自負もありますし、正直まだまだ同じ次元で見てもらいたくないという想いもあります。もし格闘技業界が盛り上がるのであれば噛みついてもらってもいいですけど、半端な選手は相手にしたくありません。まだまだ私は第一線で頑張っていきますし、国内にこだわらず海外でも試合をしていきたいとも思っています。そういうお話も色々といただいているので、コロナが収束してからの自分の展開がどうなるのかが凄く楽しみなのでそこを見ていただきたいです。

──RENA選手がリンジーにリベンジを果たし、今年2月11日のKNOCK OUTでは西岡蓮太選手がワンデートーナメントを制覇したりとSBにはいい勢いがある中で、2月15日のSB開幕戦ではSBエースの海人選手と次世代女子エースの女神選手が敗れる波乱がありました。若い世代のシュートボクサーにメッセージはありますか?

RENA 蓮太の優勝は素直に嬉しかったですね。あと私にとってもSBの男女エースだと思っていたあの海人と女神の敗戦は本当に悔しかったです。でも、どの選手にも負けが必要な時はあると思うので、負けて変化なくこのまま狭い世界で小さく終わるのか、それとも負けを糧にして勝つためになりフリかまわず必死に進化するのか。自分の進む道は人それぞれなので、またここから頑張ってほしい、もっと嫌なことにも取り組んで乗り越えてほしいという気持ちはあります。女神はプロ2戦目でチャンピオンになったり、連勝していたことは本当に誰もなし得たことのない凄いこと。そこまでがうまく行き過ぎたというような気持ちに切り替えてもらって、プロデビューする前の気持ちを思い出してどんな選手と試合してもその強さを発揮できるように新しい練習に取り組んでもらいたいですね。次の復帰戦では、昨年7月にSB日本女子ミニマム級王座決定トーナメントを制覇した時にファンをビックリさせた時と同じような試合を期待したいと思います。海人は自分で全部分かっているはずなので、そこに真正面から取り組めるかどうかですね。

──コロナ疲れの方にメッセージもお願いします。ネガティブになる人はどうしてもいると思います。プラス思考に考えるために独自の方法はあります?

RENA 今やるべきことをやる。だらだらしていてもただ時間は過ぎていくだけです。家にいても毎日これだけはやるといった、今までできなかったこと、例えば手の届かなかったところの掃除をするとかだけでも気分はスッキリします。決して自分だけではなく、日本、世界中の誰もが疲弊している状況です。自分のことだけを考えるのではなく、家族、友人知人など大事な人たちの人命にも関わってくることなので、色々なテーマを持って当たり前にSTAYHOMEを続けましょう。この騒動が収束した暁には、きっと我慢したなりの大きな良い波が帰ってくると思います。ただ、日本の格闘技界ではこういう状況にも関わらずイベントが開催されたり意思統一がされていないのが現実です。野球、サッカーなどメジャースポーツのように世間一般の皆さまから格闘技がちゃんとしたスポーツだと認識してもらえるように、こんな大変な時期だからこそ団結力とモラルを持って世の中の人に元気を与えることができれば、と思います。そうなることを信じて私たち選手はその場面が来たら自分の実力以上のものを最大限に発揮できるよう、今できることを精一杯頑張るときだとも思っています。大丈夫です。日本人は、人類は絶対負けない。

RENA
1991年6月29日、大阪府出身
身長160㎝、体重55.0kg
SB世界女子フライ級王者
戦績:41戦35勝(11KO)5敗1分:MMA戦績14戦10勝4敗
シーザージム所属

Fight&Life Vol.78
取材・文_安村 発
写真提供_ RIZIN FF

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