──練習ではどのようなところに楽しさを感じますか?
Ayaka 今までできなかったことができるようになると楽しいですし、会長にはドヤ顔をするようにしてます(笑)。試合中にそのドヤ顔をしたことを思い出すと、自然と練習したことを思い出します。それで、伊藤紗弥戦の時には練習のことを思い出して、むちゃくちゃ練習していた左ボディブローでダウンを取ることができました。
──ジムではどのような練習をしますか?
Ayaka 練習は会長とマンツーマンでスパーリングすることがほとんどです。出稽古は大阪の魁塾に行くことが多いですね。
──三重県出身の女子格闘家はKANA選手、Union朱里の2選手がそうですが、三重を拠点にしているプロ格闘家はAyaka選手が初なんですよね。関東に負けたくないという意地はありますか?
Ayaka 私は関西での試合が多いので、関東では私の名前は全然知られてないですし、東京で試合があるときは関西の底力を見せていきたいという想いは常にあります。
──伊藤選手から初のダウンを獲っただけでなくKO勝ちしたことで一躍名前が広まりましたが、以前から伊藤選手のことは意識していましたか?
Ayaka 綺麗な試合をする選手だなと以前からYoutubeで映像をよく見ていて、会長から「今度の相手は伊藤紗弥選手だよ」と聞いてまさかその伊藤選手とは思わないじゃないですか。誰!?と聞いてしまいましたし、その伊藤選手だとわかった時は「こっちは汚い試合をしたろ」と思って笑いしか出ませんでした(笑)。
──怖さはなかったのですか?
Ayaka 伊藤選手はムエタイルールをメインにしてヒジを得意としているので、RISEルールではヒジが認められないので問題はないのかなと。でもRISEではワンキャッチが認められるので首相撲の練習は少しやりました。あとは、左ボディブローやローで足を削る練習を重点的にやっていたので、これで負けるわけはないとかなりの自信を持って臨みましたね。
──実際に手を合わせてみて想像していた通りの強さでした?
Ayaka 1Rはお互いに様子見だったので強さはわからなかったのですが、2R目からYoutubeでも見たことのないようなラッシュを仕掛けてきてちょっと戸惑ってしまいましたけど、相手が右ミドルを蹴ってきても全部ローを返すことを心掛けいたので慌てることはありませんでした。
──2Rに左ボディブローから連打を仕掛けて初のKO勝ちでした。あれは狙っていたもの?
Ayakaを指導する稲垣喜大会長いわく「伊藤×小林愛三戦(18年12月9日KNOCK OUT)を何度も見返したところ、伊藤はボディが弱いとわかり、RISEルールではボディブローが当たると思って、練習では特に左ボディブローを練習していた」という。Ayaka 狙ってました。伊藤戦では、勝っても倒せないと周りから言われていたので余計に倒したいと思ってましたね。まだKO勝ちした実感はないのですが、Youtubeで今回の試合動画を見返したら「伊藤紗弥さんかわいい」ばかりだったので、もうちょっと私を見てくれよと(苦笑)。実際に向き合った時も伊藤選手はかわいかったので、そりゃあファンは増えるよな!とイラっとしてしまいました(笑)。
──ニックネームにヒール系女子高生ファイターと付いていますが、まさにその本領発揮ですね。なぜそのようなニックネームが付いたのでしょう。
Ayaka プロ5戦目の時にBLACK☆Jr七海選手に右ハイキックで1RKO勝ちしたんです。七海選手がバッタリと倒れて会場が騒然としている中でリング上をゆっくりと歩いている私の姿が完全にダースベイダーだったようで、会長がヒール系と付けたら一気に拡散されました(笑)。
──伊藤戦もそうでしたが、Ayaka選手の強打が光っていました。それはどのように磨かれたものですか?
Ayaka 私は普通の女の子よりガタイがいいのと(苦笑)、アマチュア時代は男の子とばかり試合をしていたので力負けしなくなったからだと思います。練習も会長や北岡孝人さん(元SBカーディナル級1位、現SBレフェリー&ジャッジ)とばかりやっているので、自然とパワーが身に付いたんでしょうね。ちなみに筋トレで腹筋、スクワットはやりますが、腕立てはやっていません。最近、会長からパンチの打ち方を教わったことでさらに威力も増していると思います。あと、私は身長150㎝と小さいので相手の懐に入りやすいんです。入ってしまえばこっちのもの。近い距離の連打は得意なので、パンチ力も活きてくると思います。