2月15日の『SHOOT BOXING 2020 act.1』で無敗のSB日本女子ミニマム級王者女神を破るアップセットを起こしたsasori。試合以外では黒のマスクを装着して練習に臨むなど、素顔は出したくないという。
出身地以外も明かさず謎に満ちた関西の実力者を追った。
取材・写真_安村 発
黒のガウンとハットで登場する女蹴sasori
──謎のベールに包まれたsasori選手ですが、格闘技を始めたきっかけから教えて下さい。
sasori(以下S) 私がキックボクシングを始めたのは年齢的にも遅く、5年前でした。最初は体力維持のためにフィットネス感覚でテツジムに入会し、ボクササイズクラスに通っているうちに、はまってしまいキックボクシングのことをもっと知りたくなりました。
──それまでにスポーツ歴はありました?
S 中学、高校と6年間、バスケットボール部に所属していましたが、特に優秀な成績はありませんでした。
──元々、運動神経はある方ですか?
S 昔からそんなにあるタイプではありませんでした。
藤田会長 入会した当時は常に小奇麗にされていて顔に傷を付けたくないタイプなんだろうなと。見た目は普通の女性の印象でしたが、身体は強いし、運動神経は良かったですよ。
──どうしてプロになろうと?
S アマチュアの試合経験はテツジム主宰のオヤジキックで2戦しかなく、1戦目はドロー、2戦目は対戦相手が見つからなかったのでテツジムのプロ選手の喜多村美紀さんとエキシビションマッチという形で勝敗なしの試合をやりました。キックを始めて3年目ぐらいの時に、大阪のテツジム本部のガルーダ・テツ会長から「プロになったらどうや?」と言われたんです。
──男子選手もそうですが、多くのアマチュア経験を経てプロになっている選手がほとんどですが、2戦とはかなり少ないですね。テツ会長はsasori選手をどう評価されてプロへの道を勧められたのでしょうか?
S 私は試合ではガンガン前に出るスタイルなので、面白いと思われたんだと思います。プロになることに躊躇はありましたが、一度やってみようかなと。結果が出なかったらすぐに辞めようとも思いました。
──何試合か拝見しましたが、かなりアグレッシブなスタイルですよね。昔から負けん気の強い性格だったのでしょうか?
S 元々、喧嘩とかはしたことはないですし、争いごとが好きではなく、自分では大人しい性格だと思っていたのですが、いざ試合に出てみたら負けたくないという気持ちが湧いてきて前に出てしまうんです。自分にはこういう一面があったんだ!?と試合を通して気付かされました。やってみないとわからないものですね。
藤田会長 大人しい? 彼女は無茶苦茶、頑固ですよ(笑)。自分の信念は絶対に曲げないんです。
S そうですね。自分が納得いかないことはウンとは言わないので、傍から見たら生意気だと思います。