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出身地以外なにも明かさず謎に満ちた関西の実力者“女蹴sasori”って一体だれ?

──昨年9月には同門の喜多村選手とミネルヴァライトフライ級王座を懸けて対戦していますが、同門対決のお話を聞いた時に躊躇はなかったのでしょうか。

S 最初にそのカードが決まった時はやるのが嫌だったのでカード自体が消滅しないかなとは思ったのですが、決まったからにはやりますと。試合の1カ月前からスイッチが入り、試合が終わったら笑おうという気持ちで臨みました。会長いわく、試合中も笑っていたようで(笑)、相手の攻撃をもらうことで楽しくなったんでしょうね。

──今年2月のシュートボクシングでは、無敗のSB王者・女神選手を倒したことで一躍名を広めました。試合を振り返っていかがですか。

S 凄い選手だとは知っていて、負けるかもしれないけど、対戦できるだけでもいいかなと思っていました。試合では、女神選手のペースになったらまずいと思ったので距離を潰してうまさを消す試合ができたと思います。投げられてシュートポイントを奪われたり、バックブローを当てられて痛かったのですが、特にうまさは感じませんでした。

──その後の反響はありました?

S 特に感じていません。

藤田会長 あの試合後からはオファーが増えたと思います。

──今後、キック続けていく上での目標はありますか?

S ベルトを持っている強い選手をどんどん倒していきたいですね。名前ですか? 女子格闘家のことはあまり詳しくはないんです……。お話があれば、どんな相手でも戦います。

──今、女子キック界のトップで活躍している女神選手、Ayaka選手、寺山日葵選手といったチャンピオン勢はジュニア時代からアマチュア経験が豊富で、プロデビューして10代でベルトを獲得しています。その反面、sasori選手は格闘技を始めたのが遅く、アマチュア経験も少ない中でプロデビューし、プロ12戦目でベルトを獲得しています。なかなかそういう選手はいませんが、どのような努力があったのでしょう。

S 自分自身もチャンピオンになれるとは思っていませんでした。周りからは絶対に無理やろ? と思われていたのですが、「やれるんちゃうか?」とテツ会長をはじめ、私に期待してくれる方もいるので、そういう人の声が力になります。私が格闘技を続けられる時間も限られています。あと何年できるかわからないので、その短い期間でも、他人以上に練習をやる、やれることをやる、無理でもやろうと強さを追及するのみでした。練習を続けてきたことで、結果が付いてきたんだと思います。

藤田会長 練習量は凄いですし、どんなことも地道に継続して努力できることが彼女の強味だと思います。

──憧れの選手はいますか?

S 2度対戦しているLEGENDGYMの楓選手です。プロ2戦目で対戦した時に負けたかな? と思ったらドローでした。そこからずっと意識していた選手で、この選手を倒してから引退したいと思い始めたんです。昨年4月に楓選手と同じジムの選手と対戦予定だったのですが、ケガで欠場となり、急遽、楓選手と再戦が決まりました。そこで負けてしまったのでリベンジしたいと思ったのですが彼女は引退されました。

──今、地方で頑張っている選手にメッセージをお願いします。

S 若いと挫折も経験し、色々と誘惑があったり、やりたいことは出てくると思いますが、諦めないで続けることが大事です。

──ちなみにご自身が格闘技を辞めようと思ったことはあります?

S 練習はしんどいですけど、辞めようと思ったことは一度もありません。なぜなら、私には限られた時間しかないのでそう考える暇もないんですよ。

sasori
兵庫県出身
NJKFミネルヴァライトフライ級王者
戦績:13戦9勝(1KO)2敗2分
テツジム所属

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