冬はどうしても身体を崩しやすい季節。さらにコロナ禍ということで、体調の変化にも敏感に。冬本番を迎える前に、免疫力を落とさないためにはどうすればいいか?これをさまざまな側面から桑原先生に解説してもらいました。免疫力アップの秘訣を3回に分けてお届けします。
免疫力は容易には上がらない
まず免疫力についてお伝えしたいのは、「○○を食べれば免疫力が上がる」とか、「○○エクササイズっで免疫力がつく」という特集やキャッチコピーを目にすることが多いと思うのですが、大前提としてもっとトータル的な対応をしなければ免疫力は容易には上がらないということです。
人間の身体は、60兆個の細胞によってできていて、それらが絶妙なバランスで成り立っています。そこに何かひとつを取り入れるだけで劇的に変えるということは難しいわけです。
トータル的に対応するということは、運動・栄養・休息のバランスをしっかりとることです。
まず見直すべきポイント
睡眠
睡眠不足は、現代人が抱えている課題のひとつですが、中には睡眠不足でも高い水準で仕事やパフォーマンスを発揮できている人もいます。
でもそれは「睡眠不足はパフォーマンスに関係ない」のではなく、「睡眠不足が解消されればもっと高いパフォーマンスが発揮できる」ということです。今よりも免疫力を高めたいと思っている人は、まず一度睡眠に関わる部分をチェックしてみてはいかがでしょうか。
運動
次に、「運動」という要素も非常に重要です。運動の目的は人それぞれ異なりますが、運動をすることは体温を上げることでもあります。瞬間的な体温も上がりますが、継続してトレーニングをしている人は筋肉がつくことで、日常的に体温が上がりやすい状態になります。逆に言えば、体温が低い状態は免疫力が低いということでもあります。
一般的に体温が1℃下がると、免疫力は3割低下すると言われています。体温をパッと上げることは難しいので、普段からトレーニングをして体温が上がりやすい身体を作っておくことが重要となります。
トレーニングという要素以外で言えば、冬は熱いお風呂に入ってしっかり身体を温めたり、手足を温めたり、そういうことを意識するだけでも免疫力にはプラスです。風邪を引いたときに、体温が上がるのは、風邪の細菌と身体が戦っているからで、最近に侵されていないときに身体を温めることは免疫力を上げることに繋がります。
このように、睡眠と運動は免疫力上げる上で非常に重要な要素なのです。そしてこれらを踏まえた上で、どういった栄養素が免疫力を上げるのに効果的なのかについて、次回は触れていきたいと思います。
次回、「免疫力アップにつながる栄養素」は、12月15日(火)アップ予定!
取材/文 Woman’sSHAPE編集部 イラスト 小泉純子