女性がトレーニングを始めるきっかけで多いのがお腹に脂肪がついてしまうこと。でも、そもそもなぜ脂肪がついてしまうの?盲点かもしれない意外な原因を含め、フィットネストレーナーのShiecaさんに解説していただきました !
取材・文_藤村幸代
当たり前だけど一番効果的?
第一のチェックポイントはコレ
みなさん、お腹にお肉がつくときって「最近、食べ過ぎていたから」とか「トレーニングをサボってしまったから」など、なんとなく思い当たることがありますよね。しかも、たいていはお腹だけでなく全身が重たく、もったりした感じがします。このことからも分かるように、お腹の脂肪がつくときは、やはり全体的な体脂肪量が増えていると判断するのが一般的です。そして、その理由は消費カロリー(代謝+運動)と摂取カロリー(食事)のバランスが摂取カロリーに偏っているというのが一番シンプルな答えです。
では、このバランスをどう逆転するか?一番手近なアプローチは、ご存知のとおり「運動量のアップ」と「食事の見直し」。コロナ禍に見舞われた今年は「コロナ太り」と言葉があるように、日々の活動量が低下した人はとても多いと思います。低下した分を他の運動で補っているか?この確認に加えて、普段摂取している栄養で何が過剰で何が不足しているか、日々の食事の現状把握をすることが、お腹痩せに直結する第一のチェックポイントです。また、運動量と食事のバランスが崩れると、筋肉量が減少する反面、体脂肪は増加し、体組成そのもののバランスも大きく傾きます。筋肉量が低下すると当然、基礎代謝が下がりますから、痩せにくい、絞りにくい身体になるわけです。バランスを保つには筋肉量を維持しつつ使うこと、つまり筋力トレーニングがもっとも有効なアプローチとなります。
頑張って腹筋を割っても
すべて台無しになる落とし穴
呼吸や姿勢の改善も、お腹周りのシェイプに大きく関わってきます。まず、呼吸のクオリティが下がると酸素が細胞内に満たされず、代謝が落ちてしまい、体幹周りの筋肉もこわばりうまく活動しなくなります。一方、姿勢の乱れが身体に及ぼす影響も深刻です。いくら筋トレを頑張ってもフォームが崩れては、効果が出づらく、たとえ腹筋が割れても普段の何気ないときに、肩が上がっていたり、両脚が外側に開いている…というのでは、均整の取れた美しいシルエットに見えません。ボディメイクは全身のバランスが大切。そのバランスの要が姿勢です。
よい姿勢、つまり骨盤が正しく立っている状態をキープするには、体幹を安定させるインナーユニットである横隔膜、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋群がきちんと働いていなければなりません。この働きが弱いと、日常的に体幹の筋肉が活性しなくなり、腹筋をやっても思ったより脂肪が落ちないという事態を招くことも。
教えてくれたのは・・・Shieca (小倉 シエカ)さん
1979年生まれ。フィットネストレーナー
運動経験ゼロであったが、体形の崩れをきっかけに27歳で筋力トレーニングを開始。JBBFボディフィットネスに出場し、東京・関東(初代)・東日本(初代)大会チャンピオンとなる。2010年に全日本大会準優勝、11年東アジア選手権代表に選出。現在は、ピラティスとウェイトトレーニングを中心とした指導で大人の女性を中心としたコンディショニング&ボディメイクトレーナーとして活動中。
Instagram:@shie.ca