断食やファスティングなどの「食べないダイエット」は実際行っても大丈夫なのでしょうか。ここでは、食事や栄養にまつわる素朴な疑問に答え、よりよい食生活を送れるためのアドバイスをご紹介します。
文:飯塚さき 監修:松本恵(日本大学文理学部 教授)
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食べないダイエットは大丈夫?
断食のポイントは期間です。胃腸が疲れているときに、ある程度空腹の時間を設けることは大事です。もちろん、毎日3食食べることが健康的なのですが、おなかが空いていないにもかかわらず習慣的に食べるのであれば、少し何も食べない時間を設けたほうが胃腸が休まりますし、正常なバイオリズムが働きだします。
お勧めなのは、早めの夕飯を済ませて、翌日の朝食まで何も食べない「プチ断食」。夕食後に8〜12 時間空けるとよいでしょう。睡眠時間を含めたプチ断食は、疲れた胃腸に効果的です。夕食後4時間以上経ってから睡眠を取るのがよいとされているので、19 時までには夕食を終え、11 〜12 時には寝るようにし、翌朝6時以降に朝食を取れば、理想的と言えます。
逆に、それ以上の自己判断による長時間、または昼夜を超えての断食はお勧めしません。低血糖や脱水の恐れがあるだけでなく、免疫力が急激に下がるので、その後のリカバリーが難しくなるからです。感染症にもかかりやすくなるので、無理な断食はしないでください。
監修 松本 恵(日本大学文理学部 教授)
北海道札幌市生まれ。2004 年北海道大学大学院農学研究科応用生命科学博士課程後期終了。日本大学文理学部体育学科教授。日本スポーツ協会公認スポーツ栄養士。ソチオリンピックのマルチサポート・ハウス ミール担当。