学生たちにコンテスト挑戦を勧めたのは、ヒューマンアカデミー東京校でエクササイズの講師を務める清宮忠さんだ。
「彼女たちは、半年間で芸能事務所所属などを目指すモデル・タレントの養成コースに通っています。モデルもタレントも自分を表現する仕事ですし、ストイックに自己管理するというのも芸能界では今や当たり前になっています。その2つを6ヵ月という短い期間で学び、感じてもらうのに、ボディコンテストはうってつけの経験の場だと思うのです」
もちろん、コンテストの出場経験や上位入賞の肩書が、芸能事務所のオーディションで付加価値になるという戦略もある。だが、学生たちにとっての財産はほかにある、と清宮さんはいう。
「今回の学生はみんな20代ですが、自分たちよりひと回り、ふた回り上の女性たちがキラキラと輝いている姿を見るのが、何よりの刺激になっているようです。演者としての自分の磨き方はもちろん、人生の輝かせ方にはこういう方法もあるとういことを、学生たちに感じてもらうことが、じつは一番の目的なのです」
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実際、今回は悔し涙を飲んだ勝埜選手も、先輩コンペティターたちの姿が発奮材料になっているようだ。
「出ている方たちの年齢が幅広くて、生涯スポーツのようですよね。さまざなジャンルに分かれているから、自分に合ったカテゴリで戦える楽しさもあるし、自身を磨き続ける意味でも、いい競技に出会えたなって思います。でも、とにかく、このままでは終われない。地元の京都でもSBCの大会があるので、『見てください、私を』といえる状態で再チャレンジしたいです」
この1年で、学生たちのボディやステージングは、どう進化していくか。選手の成長を見守り、見届けることができるのもボディコンテスト観戦の醍醐味かもしれない。
執筆者:藤村幸代
スポーツとカラダづくりを中心にカルチャー、ライフ、教育など多分野で執筆、書籍構成・プロデュースを行っている。神奈川県横須賀市出身、三浦市在住。