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スラックライン世界王者 須藤美青「男子と互角に渡り合える選手になりたい」

2018年スラックライン世界ランキング1位

須藤美青

「男子と互角に渡り合える選手になりたい」

 

「ウェイビング」と呼ばれるベルト状のラインに乗りながら、ジャンプやトリックなどのパフォーマンスを行うスラックライン。やったことありますか?
須藤美青選手は、2014年、2017年、2018年は女子の世界ランキング1位で世界選手権では男子とも争い、日本での第一人者として活躍。
今回は、Woman's SHAPE vol.18(2019年発売)に掲載された、須藤美青選手のインタビューを再録してお届けします!!!

 

 

きっかけは「遊びの延長」

── 見るからに楽しそうな競技ですね。始めたきっかけは?

須藤  小学校の時にクライミングをやりたくて、クライミングのジムに通っていたんです。でも背が低かったので無理をして登った時にケガをして一時的にできなくなってしまった。ちょうどその頃同じジムでスラックラインの教室をやり始めた頃で、付き添いの母がやっていたんですよ。母がいろいろやっているのを見て、「私もやりたい」と遊びの延長で始めました。小学5年の夏の話です。母は今でも続けていて、インストラクターの資格を持っています。

── そのままハマった?

須藤  ちょっとあとに当時の日本チャンピオンの方と出会う機会があったんですよ。最初は歩いたり、しゃがんだりしか知らなかったけど、チャンピオンがピョンピョン飛び跳ねる姿を目の当たりにして、「私も同じことをやってみたい」と教えてもらうようになりました。

 

スラックラインってどんなスポーツ?

── スラックラインといえば、まさにベルト状のラインの上をピョンピョン飛び跳ねるイメージがあります。

須藤  それはトリックラインの中の動きです。競技として行われるのはこのトリックラインだけで、他に長い距離を歩くロングライン、垂れるように緩くラインを張って行うロデオラインなどがあります。

── スラックラインで使用するベルト状ラインの長さは決まっている?

須藤  トリックで使うラインは幅5㎝と決まっているけど、長さは会場によってまちまち。普段使っているラインと同じ長さだったら乗りやすいです。1mでも短くなると、跳び方が変わってきますから。

── この競技が盛んな国は?

須藤  アメリカと南米が盛んで、特に南米には強い選手が多いと思います。日本も強くて、世界ランキング上位に結構名を連ねています。日本国内の競技人口はまだ少ないですが、愛好家は数万人と言われています。最近はメディアに取り上げられることも増えてきたので、結構広がってきているかなと思います。

── この競技の一番の魅力は?

須藤  技ができた時の達成感ですね。大きな技ができたら次はそれを他の技とつなげていく。そうすると一層評価されます。つなげる技がひとつ増えると、前後を入れ替えてバリエーションも増していくんです。

── ちなみにトリックラインが最も得意?

須藤   はい。ロングラインも好きでやりたいのですが、やれる場所が少ないのでなかなかできません。やっているところがあったら「やらせてください」と頼んで挑戦しています。できないのは悔しいし、長い距離を歩くのも奥が深くて面白くて。ロデオラインなどにも、トリックラインとは違う魅力があります。

── トリックラインではどんなテクニックが得意?

須藤  おなかで跳ねてバク宙してからお尻でも跳ねるフロッグフリップなどの回転系が得意です。トリックラインには縦回転と横回転があるけど、私は前者が得意です。

 

スラックラインの上達の仕方

── 第三者から見るとバランス感覚の磨き方が肝になってくる競技に見えます。特別な磨き方はある?

須藤  あんまりないです(微笑)。私の場合、ヒジをついて腕立て伏せの体勢で止まるような体幹トレーニングを教えてもらいながらやっていますけど。

── 上達するためのカギは?

須藤  最初はラインの上に立つところから練習しなければならない。最初に飛び跳ねる場面を見てしまうと最初からピョンピョンしたい人が多いけど、その前に地道な練習が必要。その過程を乗り越えることができたら、ライン上で立ったりしゃがんだり、さまざまな動きができるようになります。

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