インタビュー当時、2019年の目標について
── 昨年(2018年)、立てた目標を達成することはできました?
須藤 目標は世界ランキング1位と日本ランキング1位の2つだったんですけど、ひとつは達成することができませんでした。
── 世界ランキング1位。なのに日本ランキングは2位というのは不思議な感じがします。
須藤 世界ランキングはひとつの国際大会で出した最高の得点がランキングに反映されるのに対して、日本ランキングは出た大会の順位によってポイントを与える方法を取っているからです。加算式だと全大会出ないと勝てなくなってしまいます。2018年は5大会中1大会がケガで出られなかったんですけど、それ以外は3大会で優勝、ケガ後の1大会は準優勝でした。
── なるほど。事情をよく呑み込めました。今年(2019年)の目標は?
須藤(2019年1月中旬の時点で)まだ決めていないけど、世界ランキング1位は取りたい。でも、まだリハビリ中なんですよ。
── ケガしているんですか?
須藤 昨年8月21日、練習中に落とされてケガをしてしまったんですよ。すぐ手術して9月に国内で行われた大会に出たけど負けてしまいました。それまで絶好調だったので、落差が激しい1年でしたね。
── それは災難でしたね。
須藤 昨年高校を卒業してスラックラインだけに専念できる環境になった矢先のケガでした。もう日常生活に支障はないけど、競技をやっていると足首にまだ不安な部分がある。医者から「冬になったら痛みます」と言われていたけど、本当に痛い。いつもだったらこの時期からピッチを上げていかなければならないけど、その段階に達していない。なので、2019年は出る大会を絞ろうかどうか思案中です。
── 無理はしない方がいいかと。
須藤 確かにしっかりと時間をかけて治療したいと思う反面、焦りがある。その理由? いつまでスラックラインを続けられるか分からないからです。ケガをしたことで改めてそう思いました。病床でいろいろ考えていたんですよ。
今後のビジョン
須藤 自分は男子と互角に渡り合える選手になりたいと思ってやっています。ジュニアの時は男女混戦だったんですよ。
── どの競技でも子供の時は一緒。よくあるパターンです。
須藤 それが国内だと一般の部になると男女別になる。でも、世界選手権ではまた男子と一緒なんですよ。なので改めて男子と戦える選手になりたいと思っています。だから世界選手権では男女に関係なく順位が発表されます。世界ランキングは男女混合と女子のふたつ。中には「男女別にした方がいい」という意見もあるけど、私は男子と戦っていた方が燃える。逆に「もっとやらなきゃ」という気持ちになりますね。
── 体操もそうですけど、体の柔らかさやしなやかさなど女子は女子ならではのストロングポイントがあると思います。
須藤 確かに男子と比べると柔軟性は高いと思います。私は男子と試合をやっていると、「女子でもそんなことができるのか!」「そんなダイナミックなテクニックを使うことができるのか!」と驚かれることが多い。どちらかというと、私は女性らしさがあまりなく、男性寄りの乗り方をしている(微笑)。
── 失礼ながら見かけとは大違い!
須藤 女性は横回転が得意な人が多いけど、私は縦回転の方が得意なんですよ。だから現在は苦手な横回転が課題です。諦めていた部分もあったけど、これからどんどん増やしていきたい。
これから「スラックラインをやりたい」という女性に向けて
須藤 女性だと自然と全身運動になるので、そこが魅力かなと思いますね。実生活では全身を使う動きなんてなかなかない。特に初心者だと普段使っていない筋肉を使うので、最初は少々筋肉痛があるかもしれませんが。