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摂食障害を乗り越え大学3年生の河野瑞夏さんがミス日本グランプリに「人と人とをつなぐミス日本になりたい」

河野瑞夏さん

国際基督教大学教養学部3年の河野瑞夏さん

「日本らしい美しさ」を磨き上げ、社会で活躍する女性を後押しする日本最高峰の美のコンテストとして、50年以上にわたり開催されてきた「ミス日本コンテスト」。54回目となる今年は1月24日(月)、東京・新宿の京王プラザホテルで最終審査が行われ、ファイナリスト11名の中から国際基督教大学教養学部3年の河野瑞夏さん(21)が栄えあるグランプリに選出された。

【写真】国際基督教大学教養学部3年の河野瑞夏さんの煌びやかなステージング写真

身体にフィットしたシックなネイビーブルーのドレスが、171センチ、54キロの抜群のプロポーションをより引き立たせる。そんな河野さんだが、2年前には摂食障害から一時は体重が40キロを切ったこともあったという。受賞後のインタビューでは当時の経験を率直に語った。

「大学1年生の時になったのですが、(きっかけは)痩せることでもっと人から認められるんじゃないか、生きやすくなるんじゃないかと思っていたのが原因かもしれません。逆に、痩せていなければ嫌われてしまうとか、グループから排除されるんじゃないかと考えていたのが一番大きかったかなと」

摂食障害の経験で一番つらかったのが「孤独」だったと河野さんは振り返る。

「人とご飯が食べられないと、食事に誘ったり誘われたりすることもなくなったり、みんなもだんだん距離を置いていったり。そうすると、気づかないうちに自分が独りぼっちになっていて、私が痩せすぎているのをみんなが見てみないふりをするし、自分もすごく寂しいけれど痩せるということは捨てられない……その孤独の中の葛藤が一番つらかったです」

乗り越えられたのは、つねにそばで支えてくれた家族の存在が大きかったが、コロナ禍ならではのオンライン授業やSNSにも助けられたという。

国際基督教大学教養学部3年の河野瑞夏さん

「当時は摂食障害で体力がなく、学校に通うこともままなりませんでした。それでも学び続けられたのはオンライン授業という居場所があったからです。また、ミス日本を知ったのも、 Clubhouse(クラブハウス・音声のみのSNS)で大学の先輩である飯塚帆南さん(2016年度ミス日本みどりの女神)と出会ったのがきっかけです」

摂食障害は焦らず長く向き合っていくことが大切と言われている。河野さんも「弱い自分も自分だと受けいれたことで、だいぶ前に進めるようになった」と言い、現在は克服する中で得た学びをSNSを通じてポジティブに発信している。
2年前の自分に今、どんな言葉をかけたいか。この質問に、河野さんは以下のように答えた。
「あなたの幸せは自分の中にあるよ。外見に何かを求めなくても、自分の中にちゃんとあるよと言ってあげたいです」

こうした経験を踏まえ、将来は「人に希望を与えるジャーナリストになりたい」との夢を持つ。
「皆さんがもっとメンタルヘルス、精神の健康について考える機会を増やすメディアを作りたいと思っています。その時に大切なのは自分自身を知ること、自分を多角的にとらえることだと思っていますので、自分が思ってもみなかった視点を得られるようなメディアを作っていきたいです」

ミス日本として活動するこの1年間も、リアルとオンライン、双方で多くの出会いを経験しながら「人と人とをつなぐミス日本になりたい」と笑顔で語った。

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取材・文:藤村幸代 写真:中原義史


執筆者:藤村幸代
スポーツとカラダづくりを中心にカルチャー、ライフ、教育など多分野で執筆、書籍構成・プロデュースを行っている。神奈川県横須賀市出身、三浦市在住。

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