▽まずは前編をご覧ください
定期的にジムへ通い、計画的なトレーニングを継続して行うのが誰しもの理想ですが、現実は必ずしもそうはいかないもの。前編ではトレーニングの話、後編となる今回はさらに切っても切れない食事とサプリメントについて石井先生にお聞きしました。
食事とサプリメントの関係性
森 次は食事やサプリの話をお聞きしたいのですが、今ではサプリメントが普及して一般の方もさまざまなものを利用しますが、その一方で食事がないがしろになっている方も見受けられます。
例えばすごくハードな筋トレをしてアスリートレベルで成果を出していらっしゃる方が、食事だけで体を維持したり成長させることは可能でしょうか?
石井 トップビルダーとかそういうレベルではなかなか難しいと思います。現在のトップビルダーというのは体として自然な体ではないんです。体脂肪と筋肉の割合、バランスで言えばとても普通の人の体ではありません。でも、そういう状態を作らないと勝てないという状況ですね。
また、例えば体操やマラソンの女性アスリートもそうです。普通の体をしていたのでは競技上勝つことができない。女性としては不健康な状態にまでもっていかないと、勝つことができないんです。でも、それを一年中していたら生理が止まってしまったり、そういうことが起こってくる。そこまでの状態に仕上げる時は、全体の食事の中でタンパク質を高くしながら総カロリーを押さえなければならないので、とても自然な食品だけでは無理です。特別な体の状態を作るためにサプリメントというものが必要になると思います。
森 でも一般の女性が、それに類した栄養摂取の仕方をすると、それは問題が生じますね。
石井 やっぱりまずは食事です。でもそれだと必要な栄養素を摂り切れない状況、たとえば食物アレルギーで摂れない食品があったりする人は足りない栄養素を補う意味で、サプリを摂る必要はあると思います。
森 極端にサプリに依存した場合、必ず弊害があると思うのですが。それはどうだろうと思うのですがいかがでしょうか。
石井 ビタミンが足りないなと思ったらビタミンのサプリメントを摂るのはいいことだと思います。基本的にサプリメントというのは特別な成分ですよね。タンパク質ならタンパク質、ビタミンならビタミンで余分なものがない。計算上は全ての種類のサプリメントを並べていけば生きるために必要な栄養を摂ることが可能な訳で、体に必要なものを個別に摂っていけば体が作れるはず。ところが、そんな単純な話ではないんです。 自然な体というのはタンパク質とか糖質、ビタミンなど並べられるものだけでできている訳ではなく、もっともっと体に必要なものがあるんです。分かっているものだけでも銅とかコバルト、亜鉛とか、もっと少ないもので言うとセレニウムですとか、そういう元素まで本当に微量ですが必要になる訳です。
でも、そういったものまで補っているサプリメントはありません。亜鉛とか銅などはありますけど、それはサプリメントで摂取すると今度は摂り過ぎて毒になってしまう危険性がある。基本的に生き物の体は何からできているかというと、およそ地球上にある元素全てからできていると考えていいと思います。海水の中に溶けている微量なものも含め、全てのものが体を作る元素になっていて、それを個別にサプリメントで摂ることは不可能なんです。