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メリハリボディの条件『PFCバランス』ってなに?【桑原流・ボディメイキングの鉄則】

ここからは具体的に女性が筋肉をつける上でのポイントを説明したいと思います。

栄養で意識すべきこと

まずトレーニングを行う上での大前提として、トレーニング以外の部分になるのですが、しっかりと栄養を意識しなければなりません。
栄養で意識すべきことは2つ、充足度バランスです。

1.充足度

現代は飽食の時代が故に、栄養素の過剰摂取という、飢餓の時代では考えられないような状況が起きています。そのため、例えば糖質制限によるダイエットという発想が生まれたりと、常に栄養を摂りすぎているという感覚が一般的にあるかもしれません。
しかし栄養の充足度を一日を通じて見ると、栄養の充足度が足りていない時間帯も意外にもたくさんあるのです。その代表的なものが朝(午前中)です。晩御飯を食べて一晩寝て、もし何らかの理由で朝ごはんを抜くようなことがあれば、前日の晩御飯から昼御飯までものすごく時間が空いてしまい、この時間は栄養が充足されていないことになります。
一日トータルで見れば栄養の充足度が足りていたとしても、細かく時間を区切ってみれば、栄養が足りていない時間帯があることが分かると思います。
逆に充足度が足りすぎて、栄養を過剰に摂りすぎやすい時間帯もあります。典型的な時間帯は夜でしょう。どうしても現代社会は夜型であり、晩御飯を食べ過ぎる傾向があるので、夜は食事のボリュームを絞った方がいいケースが大半です。
このようにざっくりと朝は栄養不足で、夜は栄養過多という傾向があるのですが、これはみなさんの生活リズムで変わってくると思います。
ですから一日の中の単位時間、大きく分けるなら朝・昼・晩、朝・昼・トレーニング・晩など、一日を何分割かして、それぞれ分割したブロックごとに充足度が足りているか、あるいは過剰じゃないかを意識することがポイントですね。

これは細かいテクニックになるのですが、多くのスポーツ選手やアスリートは試合の3時間前に固形物の摂取をストップし、3時間以上は何も食べない時間を作らないようにしています。
食事と食事の間の時間が空きそうな場合は、ミールリプレイスメントやエナジージェルのようなサプリメントを活用するのもありですね。

 

2.バランス

たくさんある栄養素の中で、それを大別していくと軸になるのは3大栄養素の糖質、脂質、タンパク質です。
この3つはそれぞれに役割を持っていて、簡単に説明すると糖質は速攻型のエネルギー、脂質は貯蓄型あるいは持続型のエネルギーで、タンパク質は体の材料になります。
この役割をより効率よく発揮するためのバランスがあり、それはエネルギー比にして糖質が一日の50~60%脂質が25%以下タンパク質が15%以上というもので、これが所謂、PFCバランス(エネルギー産生栄養素バランス)です。

このPFCバランスを整えていると、それぞれの栄養素が体の中で最も活躍しやすい環境となり、それが代謝を高めるということになります。PFCバランスを整えることが大前提なのですが、目的に応じて意図的にPFCバランスを崩すことがあります。
例えば糖質制限ダイエットはエネルギーの主役である糖質を入れず、本来貯蓄型の脂質を速攻型のエネルギーとして使うことで脂肪を減らすというやり方です。
これはこれで一つのやり方ではあるのですが、今回のように筋肉をつけることを考えているのであれば、PFCバランスをしっかり整えることで代謝の高い、それぞれの栄養素が本来の力を発揮できる状態にしておくことをおススメします。
筋肥大という言葉を使うと、たくさん食べよう、カロリーをたくさん摂ろうという発想になる人が多いですが、ただ食べる量を増やすだけでなく、どういうバランスを摂って食べるかが重要なのです。
PFCバランスが整った食事を長く続けていれば、代謝のいい体になり、いざPFCバランスを崩して体重を落とそうとしたときにもスムーズに体重が落ちます。そういったことも含めてPFCバランスの整った食事を摂ることが大切です。

改めて総括すると栄養の充足度とバランスという二本柱を、自分のライフスタイルに合わせて照らし合わせる。これが筋肉を大きくする栄養面でのポイントです。

次回は、

女性にも意識してほしいトレーニングにおけるポイント

をご紹介します。

 


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Illustration : JUNKO

 

Woman'sSHAPE vol.17 掲載

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