筋トレの極意
こうした誤解を解いた上で、筋トレの極意は何か。それは、
1.短時間・高強度で行うこと
2.その環境に身を置くこと
3.自主的に行うこと
この3つです。
1.短時間・高強度で行う
長時間筋トレをすれば効果が上がるかというと、そうではありません。脂肪燃焼には効くと思いますが、筋肥大の観点では「短時間」「高強度」がポイントになります。筋肥大は速筋が起こす現象なので、長時間ダラダラ動いていても、遅筋にしか刺激が行きません。遅筋がギブアップしてからの1、2回が速筋に働く、つまり筋肥大につながるのです。
2.その環境に身を置く
筋肥大の環境に身を置くこと。人間に備わっている機能には適応力があります。筋肥大したければ、ジムに入会するなど、その環境に身を置くことで、人間は適応していくものです。
3.自主的に行う
3つ目は、トレーニングは強制されてやるものではないということ。先述のように、力を不合理に使うという行為自体が不自然なので、それを強制されたら、嫌で嫌で仕方がありません。だからこそ、筋トレは自主的に、自分の意思でやるべきです。私は、これこそがウエイトトレーニングの極意だと思っています。
トレーニングの目的を、減量と筋肥大とに二分した場合、減量は食事のコントロールだけでも可能ですが、筋肥大の場合はトレーニング:食事=2:8の割合で必要だと考えています。食事の影響力は大きいのですが、トレーニングを一切しなければ太ってしまうだけなので、2割であってもトレーニングの重要度は高いのです。
取材・構成 飯塚さき
Illustration=JUNKO