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タンパク質だけじゃ足りなかった!トレーニング中に取るべき栄養素とは?

トレーニング中と直後で分ける

さらに、トレーニング直後にプロテインを飲むのは◎です。筋合成にはゴールデンタイムがあり、ピークがトレーニング後2時間ほどで来るため、直後にプロテインを飲むのはタイミングとして特によいでしょう。 ただし、トレーニング中の血中アミノ酸濃度を高めるためには、もうひと工夫必要です。筋肉を動かすと、アミノ酸のなかでもBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)だけがとりわけ消費されます。なぜなら、BCAAを代謝する酵素が筋肉にはあるからす。すると、アミノ酸のインバランスが起こるため、トレーニングだけはBCAAを飲むことをお勧めします。これで、さらに筋肥大に近づくことができるでしょう。

筋肉の合成より“分解を抑える”

筋肉は、常に合成と分解で綱引きをしています。筋線維が壊され、それを回復させることで筋肉が強くなるという理屈はよく知られているのですが、同時に合成と分解への注目度も高くなってきています。スロートレーニング加圧トレーニング、またはHMBというサプリメントは、まさに筋肉の合成を意識したものです。しかし近年は、合成を高めること以上に、分解を抑えることが重要であると言われるようになってきました。もちろん両方大切ですが、分解を抑えると、意外にもスムーズに筋肥大が進むのです。

筋肉はなぜ分解されるの?

これも前回の記事(筋肉にまつわるあらゆる誤解)で学んだように、やはり、飢餓に結びついています。飢餓状態でエネルギー不足を体が認識すると、無駄なエネルギー放出を防ぐために、筋肉を分解させるのです。トレーニングでエネルギーを使うと、合成が高まる一方で、分解はより進んでいきます。

トレーニング中は、糖質+BCAA

ここで重要なのが、いかに飢餓状態ではないと体に認識させるか。そのための最も強いメッセージとなるのが、糖質です。糖質こそが、すぐに使えるエネルギー源なので、体はすぐに反応してくれます。
そこでお勧めしたいのが、「CCD」というデキストリン(糖質 をBCAAと混ぜて、飲みながら筋トレすること。つまり、糖質で分解を抑えて、アミノ酸を入れることで合成を高め、綱引きを思い切り合成のほうに傾けるのです。「イントラワークアウトドリンク」といって、近年はトレーニング中に栄養素を入れるための飲み物が開発されるようになりました。今までは栄養は運動前後に摂って、トレーニング中には水や電解質を補給しようといっていたのですから、これはスポーツニュートリションにおける進化だといえるでしょう。

トレーニングは、1日24時間のうちのたった2時間程度です。しかし、栄養補給のことも考えながら、ここをいかに手厚くするかがポイントになります。こうしたきめ細かな工夫が大切になってくると言えます。

桑原 弘樹(くわばら ひろき)
桑原塾主宰。スポーツサプリメント『パワープロダクション』の産みの親。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&トレーナー協会)PDA。武藤敬司氏率いるW-1(レッスルワン)コンディショニングコーチ。国内外のトップアスリートに対して独自のコンディショニング指導を行い、各種スポーツ誌への執筆や講演会を実施するなど多方面にわたって活動中。

取材・構成 飯塚さき
Illustration=JUNKO

Woman'sSHAPE vol.18 掲載


 

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