体幹を鍛えるベンチプレスは姿勢や細かい動作の差で効いてくる部分なども異なってくる。今更誰にこんなことを聞いたらいいのだろうか。というベンチプレスにまつわる素朴な疑問を井上大輔先生が解説してくれる。今回は肩甲骨は寄せたほうがいいのかを聞いてみた。
文:井上大輔 <NPO法人 日本ファンクショナルトレーニング協会>
肩甲骨は寄せた方がいいですか
肩甲骨を寄せた方がいいかどうかは、あなたの通常の肩甲骨の位置によります。もしあなたの肩甲骨が通常より離れている(外転している)場合、肩甲骨を寄せることにより、肩甲骨は通常の位置に戻ります。しかしあなたの肩甲骨が正常な位置にあるか、元々寄っている(内転している)場合、肩甲骨を寄せると肩関節が通常の位置から外れてしまい、肩を痛めるか、可動域が狭くなる原因になります。
肩甲骨は30度外転の位置にあることでベンチプレスの際に、上腕骨頭が関節窩にはまります。(写真1‒1)これを「肩甲骨のレストポジション」と言います。
ベンチプレスを行うときは、肩甲骨のレストポジションを保持することが大切です。(写真1‒2)肩甲骨のレストポジションの大体の目安は、肩甲骨の真ん中が、脊柱より5~6㎝の距離にあるということです。
もし自身の肩甲骨の位置を知りたい場合は、誰かに測ってもらうか、パーソナルトレーナーやストレングスコーチなどの専門家に相談するのがいいと思います。
井上 大輔(いのうえ・だいすけ)
兵庫県神戸市出身。滋慶学園大阪ハイテクノロジー専門学校スポーツ科学科トレーニング理論実習講師/整体&パーソナルトレーニングジムを経営(兵庫県明石市)/ NSCACSCS/NPO 法人JFTA 理事長/17歳よりトレーニング開始。大学卒業後、スポーツクラブに就職、スポーツコンサルティング事業にかかわる。同時に操整体トレーナー学院学長松下邦義氏に師事、操整体について学ぶ。/2006年NBBF 全日本選手権 第6位。
NPO法人 日本ファンクショナルトレーニング協会 TEL:078-707-3111