文:IM編集部/藤本かずまさ(インタビュー)
第1回ゴールドジムジャパンカップでミックスドペア日本一に輝いた高岡由紀江選手&齋藤忠男選手。両選手の年齢を足すと152歳というから驚きだ。
ゴールドジムジャパンカップに向けて、高岡選手がミックスドペアのパートナーとして齋藤選手を誘ったことで2人はペアを組むことになる。齋藤選手は2002年日本マスターズ60歳以上の部で優勝経験があり、ボディビル界では「リビングレジェンド」とも呼ばれている選手だ。
2人はミックスドペアの40ポーズ以上の練習を長いときは5時間以上こなしたという。72歳の高岡選手は「トレーニングを休む日は3日以上空けないようにしている」、80歳の齋藤選手は「年間300日、最低2時間以上のベーシックな練習を課しています」と、トレーニングと競技に向き合う姿勢は若者以上かもしれない。2人はペア結成4カ月後のマッスルゲート石川大会で優勝、続けて全国大会であるゴールドジムジャパンカップでも栄冠に輝いた。マッスルゲート石川での優勝後に齋藤選手は「ひとりずつでは『1』ですが、『1+1』が『3』になるのがミックスドペアなんです」とミックスでペアの魅力を喜びとともに表現していたのが印象的だった。
高齢でも参加でき楽しめる――、ミックスドペアというカテゴリーが導入された経緯はなんだったのだろうか? ゴールドジムジャパンカップを運営するマッスルゲート実行委員会の田代誠氏に、両選手が優勝したことを含めて話を聞いた。
ミックスドペアのコンセプトと魅力とは?
――マッスルゲートのボディコンテストは男子ボディビル、女子フィジーク、メンズフィジークなどなど、ひとつの大会で公式競技が全て見られる珍しいイベントでもあります。男女のペアで参加する「ミックスドペア」も行われます。マッスルゲートの会場でこの競技を初めて観たという人もいるかと思います。
田代 我々の時代には結構盛んに行われていた競技で、強いペアもいました。だから、私の感覚では「珍しい競技」という認識ではないんです。
――今でもジャパンオープンでは行われていますが、ミックスドペアを生で観たという人は少ないかもしれません。
田代 確かに、「なぜ今、ミックスドペアをやるんですか?」と聞かれることはあります(苦笑)。私どもとしては、ご家族だったり、ご友人だったりと、トレーニングをみなさんでやっていただきたい。普段トレーニングをご一緒にやられている方々が、その流れの中でモチベーションを上げて出場していただければ、というのが今回のミックスドペアのコンセプトです。ご夫婦、男女のご兄弟、従妹で出場されてもいいと思います。
――ジムでペアでトレーニングされている方はいらっしゃいます。
田代 そういった方々に、普段のトレーニングの延長線上にあるものとして出場していただければと思っています。
――昨年の石川大会、そしてゴールドジムジャパンカップには高岡由紀江選手&齋藤忠男選手のペアが出場されました。お二人合わせて152歳のレジェンドペアです。
田代 出ていただいて、とてもありがたく思います。競技性だけではなく、いつも一緒にトレーニングされている方が、ステージの上で楽しくパフォーマンスをされる。そういう「ミックスドペアとは何か」という部分を体現していただけたと感じました。
――また、高齢化社会と言われる現在におけるトレーニングの有用性を示されていたと思います。トレーニングで鍛えた身体で元気にパフォーマンスする。これ以上のメッセージはないのではないかと。
田代 そうですね。年齢を重ねてもトレーニングを続けていればこれだけ元気でいられるということを見せていただきました。マッスルゲートでは、若い選手、トレーニングを始めたばかりの選手たちの飛躍の場にしていただきたいという思いもありますが、その一方で、高岡由紀江選手と齋藤忠男選手のペアのように、トレーニングをやることで健康的で元気な日々を長く過ごせるようになると、そういったメッセージも発信していきたいと思っています。
今後のマッスルゲート・ゴールドジムジャパンカップでのミックスドペアカテゴリーがで盛り上がることだけではなく、誰かとともにトレーニング励みさまざまな人にフィットネスの素晴らしさが広がることに期待したい。