「軽重量・軽負荷でも筋肥大効果が得られる」というセオリーは、最新の研究成果と思われがちですが、実は50年前から採り入れられていたのをご存知ですか?研究により解き明かされたトレーニングセット数の限界点があることを前回は解説しました。今日はその具体的なトレーニング法を紹介します。
文:IM編集部
理想の回数・セット数を探る旅は50年前の「加圧」から始まっていた
前編でご紹介した報告から、現在のスポーツ運動生理学では、トレーニング効果を最大化するセット数の目安は「3セット」であるとされているのです。この理論は、近年の筋肥大メカニズムを研究している多数の学者たちからも同意の反応が示されています。
以上の事柄をまとめると、ポイントは次の2点となります。
●最大負荷の30%でも筋肥大効果は得られた。
●トレーニングの負荷は3セットで疲労困ぱいになる設定が理想的。
ここで興味深いのは、加圧トレーニングの方法論を発明・構築した佐藤義昭氏が、すでに50年も前からこうした効果的かつ理想的な高効率の筋肥大トレーニング方法を探究していることです。
佐藤氏は血流制限の度合い(適正加圧)だけではなく、負荷(重量)やレップ数、セット数、休息時間など、考えられる条件を数千パターンも設定し、実際に自身の肉体でそのパターンを試しながら最良の条件を導き出したのです。そこから構築された加圧トレーニングのスタンダードは以下の通りです。
まず、使う重さ(負荷)は最大筋力(1RM)の20~30%、同一メニューを3セットでオールアウトに導く。各セットのレップ数は1セット目を25~30回とし、2セット目、3セット目は約50%ずつレップ数が落ちていくパターンが理想的としています。
加圧(適正圧による血流制限)トレーニングについては、血管を圧迫する値(適正圧)が重要であるのは言うまでもありません。加圧トレーニング指導者の中でも、その使う値についての議論が多くなされています。
しかし、先ほどご紹介した近年のメカニズム解明論が示すとおり、軽重量と回数・セット数の組み合わせが効果的な筋肥大反応を生むという最新報告は、50年もの長い歳月を重ねながら構築した『加圧トレーニング方法論』の中で、すでに具体的に示されていたと言える内容です。
加圧トレーニング方法論は特許取得により国の専門機関が認可した科学的トレーニングです。2018年11月に取得登録された最新の特許でも『きわめて効率よく筋肉を増強させることができる方法』として、3セットで追い込む具体的な手段が認定されているのです(※1)。
(※1)特許公開番号2017-209519(P2017-209519A)