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ライバルに教えたくない!トップアスリートがひそかに取り組むトレーニング法とは?

◇100mスプリンター(2005年日本選手権優勝者、大学1年生、当時最年少覇者)の場合

ストレングス、パフォーマンス、コンディショニングの3項目を目的に加圧トレーニングを導入。

❶ストレングス向上

この選手は、筋力アップを得るための基礎的なスクワットやレッグランジの中に加圧を取り入れました。

100m10秒前半のタイムで走る選手の通常(加圧なし)スクワットやレッグランジでは、100~150㎏程度の重量を背負ってハーフスクワットを実施するのが一般的ですが、加圧ありなら20~30㎏の重さで同等以上の筋肥大効果が得られました。さらに、筋肥大目的のウエイトトレーニングにもかかわらず、直後から技術アップ目的のメニューをこなすことも可能に。これは、筋肥大作用を促す刺激を与えても炎症などのダメージが極めて軽いという加圧トレーニングならではのメリットを証明しています。

❷パフォーマンス向上

実践的なスプリント動作に加圧の負荷を取り入れる場合、特に400m 走をメインにした選手には、加圧トレーニングによる乳酸耐性向上の効果は絶大と言えます。

300mのインターバルトレーニングを加圧なし状態で行なうと、5本ほど繰り返したところで血中乳酸の高濃度状態が生じ、筋肉や関節の炎症度合いが進んで運動エネルギー源の消費もかさむため、肉体的なダメージが加速します。よってスプリント動作自体の乱れも増して、トレーニング効率が激減します。

対して、加圧ありなら1~2本で血中乳酸の過酷状態が生じるため、筋肉や関節はさほど疲労していない状態で正しいスプリント姿勢をキープできます。その結果、より質の高いスプリントトレーニングが可能となり、同時に通常をはるかに上回る乳酸耐性が身につきます。

100mの選手でも、この効果が高まれば70m過ぎからの減速の度合いを軽減することにつながります。

❸コンディショニング

過酷なトレーニングの後は、四肢の炎症などによるダメージを極力少なくするために「クールダウン」と呼ばれる積極的回復手段が取られます。トレーニング直後に即、完全休養に入るのではなく、ジョグ(またはジョック)や流しなどの軽い運動を交えて段階的に心臓の働きを平常時へ戻していきます。これには、適度な血流を維持することで炎症の蓄積を取り除き、組織のダメージを緩和する目的があります。

このクールダウンの場面でも、加圧ありなら心臓へ戻る血液量を若干減らす作用が心臓の負担を和らげ、末梢血管内に停滞しやすい疲労物質をスムーズに血流に乗せて処理する効率を高めることができます。また、その後もマッサージ効果を高める働きやストレッチ効果など、多数のコンディショニングに役立つメカニズムが発揮されています。

次ページではプロ格闘技選手の「スポーツパフォーマンスに対する効果」を紹介

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