◇プロ格闘技選手の場合
高出力を必要とする格闘技選手のトレーニングでは、スピードとパワーを同時に高めるウエイトトレーニングや俊敏性、柔軟性の向上が必須とされています。体重を増やすことも武器のひとつであるため、筋肉を増やすことで体重増加を狙うトレーニングでは、悩ましい苦労が多数報告されています。
もともと高い筋量比に上乗せして、筋肥大による増重量を得ることは簡単ではありません。もちろん脂肪増加による加体重は厳禁。
筋量の多い95㎏の選手が5㎏の筋量増加を得るには、過酷な苦労が伴うのです。効果を得るには相当高い怪我のリスクを負わねばならず、怪我が生じて挫折するケースも少なくありません。しかも、数ヵ月という長期間にわたり〝もがく〟。その精神的苦痛は想像を絶するものがあります。
しかも、この選手は40歳を超えて現役復帰に挑みました。一般的には20代のころに比べて筋力もスタミナも衰える年代です。ところが、科学的分析も交えた加圧トレーニングの施術で、短期間の集中トレーニングを実践した結果、高い効果を得て現役復帰という目標を成し遂げました。
アスリートの中には「有効なトレーニングメソッドほどライバルに教えることはタブー」という認識を持つ人も少なくありません。効果を実感すればするほど、他言しなくなっていくというわけです。今回のテーマを「秘かに取り組む」としたのも、まさにそのため。自らの能力アップに加圧を取り入れているトップアスリートは、実は想像以上に多いのです。