鈴木雅選手がトレーニングを深く、細かく紐解いていくこのコーナー。今回の部位は「広背筋&大円筋」。背中は他の部位と比較して多くの筋肉で構成されているため、トレーニングではある程度、ターゲットとする筋肉を決めて種目を選択していく必要がある。広く、そして厚い背中の作り方をラット系とロウイング系に分けてお届けします。まずはアウトラインを強化する上では欠かせないラット系種目の解説からご紹介します。
構成:藤本かずまさ 撮影:北岡一浩 岡部みつる 筋肉図提供:ラウンドフラット
「広背筋&大円筋」
上から引く種目で広がりをつける
今回は私が実際に行っているラット系種目を解説させていただきます。昔から「上から引く種目は背中の広がりをつける」「前から引く種目は厚みをつける」とよく言われています。解剖学を理解すると、この言葉が真実であることがわかってきます。 広背筋、大円筋の停止部は上腕骨に付いています。上に腕を上げると、広背筋がストレッチされます。腕を前に伸ばす動作では肩甲骨が外転するので、肩甲骨の内側にある僧帽筋下部が伸ばされます。背中の広がりをつけたいのであれば、広背筋と大円筋がストレッチされるラットプルダウンやチンニング系の種目が重要になってきます。
同じラットプルダウンでも、フォームの違いによって効く部位が変わってきます。主な違いは次の要素になります。同じ種目でも、これらを使い分けることで効く部位をコントロールできます。
肩甲骨の位置
座り方
足幅
上体の角度
頸反射
グリップ
次ページでは具体的なポイントを説明していきます。