今回はコアとバランスに焦点を当てた種目をケトルベル選手トニーをモデルに紹介していきます。
文・写真：Nazo
【おすすめ記事】日本人初のDL 200kg挙上成功！パワーリフティング界期待の“怪物美女”の動画公開！
エクササイズ１
スプリンターズ・スイング
ワンアーム・スイングにランジの要素を加え、通常のスイングよりさらに体幹強化、瞬発力そして体全体のバランスをつくることができます。足の安定がイマイチという人は、まずベルなしでフォームづくりをしてから行いましょう。
スプリンターズ・スイング
①ベルを軽く握り、ワンアーム・スイングでベルを振り上げる。気合を入れずにリラックスして行う。
②フォーム２では、ベルがトップで無重力状態になった瞬間フリーハンド（ベルを持っていない方の手）で一瞬ベルを支える。ベルも体も静止する瞬間だ。
③その手を離し、ベルが重力で落ちていく勢いを利用しながら、ベルと反対側の足を後方へ真っすぐスライドさせる。
④バックスイングの終わりは、頭から背中、伸ばした足先までに伸びた腕も斜めに伸びた体となるべく平行になるようにする（サイド写真のライン参照）。
⑤再びフロントスイングを行いながら後方の足を戻し、スイングのトップで直立状態へ戻りまた２から繰り返し。
※腰回りの“体の芯”に意識を集め足がふらつかないようにすること。
エクササイズ2
ニーリング・ウインドミル
ニーリングとは膝を床につくという意味です。ヒップ可動域、柔軟性、コーディネーション、そして腹筋から殿筋にかけてのコアストレングスの強化に適した種目です。体を倒す際、膝を立てている方のヒップを突き出す感じで背中は常に真っすぐにします。
ニーリング・ウィンドミル
①床に片膝をつき（写真では右足）もう一方は膝を立て、腰から上そして写真では左腕（膝を立てている方）を真っすぐに伸ばし、 ベルはオーバーヘッドへ。右足と左足の位置と角度に注目。
②腹筋を引き締めながら上半身をゆっくりと膝をついている方（写真では右足）に倒す。
③再びゆっくりと体を立てる。※ベルを持った方の腕は常に真っすぐであること。
【関連記事】コアを鍛えてアンバランスを整える片脚トレーニング
エクササイズ3
ゲーター・ゲット・アップ
ゲーターとはアリゲーターの略で、フォーム４の足が口を開いたワニを思わせることから名付けられました。ターキッシュ・ゲットアップ、そして先のエクササイズ２の応用編でもあります。そのためエクササイズ２がうまくできないと、この種目もできません。
これは難易度の高いアドバンス種目ですが、全身のストレングス、関節およびコアエクササイズ、バランス強化ができます。まずはベルなしで始めましょう。滑りにくい床で行い、はだしがオススメ。
ゲーター・ゲット・アップ
①エクササイズ２のニーリング・ウインドミルのフォーム２からスタート。
②左足を踏ん張りながら右足を伸ばす。次にこの右足に体重がかかってくるので、ここでバランスよく体重を支えられるフットポジションを決めておくこと。
③右手と右足でしっかり安定を取りながら左足を右足と並ばせる。頭と手足が“傾いた十字架”状態になるのが理想。
④右手右足はがっちり固定された状態でコアを引き締め左足をゆっくり開く（ワニの口を開ける）。
⑤左足をゆっくりとフォーム２の状態に戻す。
⑥右足をフォーム１の状態に戻す。
⑦ニーリング・ウインドミルと同じ要領で、ゆっくりと上半身を床と垂直になるように起こす。
※さらに完結させたいなら、毎回フォーム７のあと、オーバーヘッドの腕はそのままで一度立ち上がり、その後7のフォームに戻ってからまた１から繰り返す。
\ 合わせて読みたいケトルベル記事 /
▶短時間で全身を鍛える！ケトルベルできれいな筋肉をつくる
Nazo
ケトルベル(KB)・インストラクターおよびコーチ。OKCJ代表・ヘッドコーチ。元OKCインターナショナル・ディレクターおよびヘッドコーチ。国際ケトルベル連合の元日本代表。2015年のIUKL世界大会には日本から初めてナショナルチームを引率しアイルランドのダブリンへ行く。日本で初めてKBスポーツ競技会の開催を始めたKBスポーツにおける日本の開拓者（フロンティア）でもある。訪日イベントでは、資格コースの指導者であるとともに通訳、マニュアル本の制作と翻訳も行う。また、米国フィットネス雑誌アイアンマンの日本版、アイアンマンジャパンではケトルベル記事を執筆。現在はジム勤務や競技生活の現役をリタイアし、主に個人指導、トレーニングのプログラミングおよびオンラインなどでKBやフィットネスの執筆活動などを行なっている。
