ファーストフードが健康や身体づくりにマイナスになるというのは周知の事実だが、警戒したほうがいい食材は他にもたくさんある。これまで特に意識せずに食べてきたものや、むしろ身体にいいと思っていたものの中にも、テストステロンレベルを下げてしまう食材が存在するのである。
文：Sarah Chadwell, NASM-CPT 翻訳：ゴンズプロダクション
大豆食品
植物性食物の中には、植物エストロゲンを含むものがある。植物エストロゲンは構造的、機能的に女性ホルモンのエストロゲンに類似していることが知られている。研究によると、女性の閉経期のホルモン欠乏症には、大豆食品のような植物エストロゲンを含む食材を食べるだけでも十分な補充ができるそうだ。
これは言い換えるなら、植物エストロゲンを含む食材には、それだけ作用力のあるエストロゲン物質が含有されているということになる。
豆腐や枝豆などの食材は栄養価が高く、健康上の利点もたくさんある。タンパク質も豊富で身体づくりに効果的だ。ただ、テストステロンレベルを下げたくない、あるいは高めたいというのであれば、このような食材は避けたほうが賢明かもしれない。
ハーバードヘルスによると、エストロゲン様物質を含む食材としては豆腐や枝豆などの大豆食品以外にイソフラボンのサプリメント、植物性& 大豆タンパク質を含むプロテインサプリメントやプロテインバーなどが挙げられるそうだ。
健康のためには良さそうな食品でも、テストステロン値を上げるという意味ではマイナスになる可能性もあるので覚えておこう。
乳製品や肉類
食肉用の家畜にホルモン注射が使われているケースがあるという「肥育ホルモン剤」の問題は、もう何十年も前から取り沙汰されてきた。この事実を知らないという人は少ないかもしれないが、例えば食肉用の家畜だけでなく、乳牛にも同様のことが行われている。
つまり、私たちが日常的に口にしている様々な乳製品や肉類には、少なからず飼育段階で投与されたホルモンが残留している可能性があるのだ（訳者註: ただし、日本国内では肥育を目的とした肥育ホルモン剤の使用は現時点では認められていない）。
そもそも肥育ホルモン剤が用いられる理由は、短期間で肉牛を出荷したり、乳牛からの搾乳量を増加させるためである。
ある実験では、被験者に牛乳を飲んでもらい、その直後に血清中と尿中に含まれる性ホルモンの量を測定した。その結果、牛乳中のエストロゲンが被験者の体内に吸収され、ゴナドトロピンの分泌抑制、それに続いてテストステロンの分泌が減少したことが確認された。
パンやデザート
パンやデザート類は精製された炭水化物が用いられ、加工されている。食生活の改善で私たちがまずやるべきことは、パンやデザートを制限するということだ。加工食品は中毒性があり、止まらなくなってしまうので、自制するのは大変だろう。
ファーストフードと同じように、この種の食物を過剰に摂取すれば体重は増加する。増加する分の大半は脂肪であり、テストステロンの低下を招くことになる。肥満は男性ホルモンに悪影響をもたらすのだ。
こういったものを避けるだけでも、体内のテストステロンレベルを常に高く維持した状態を保つことができるはずだ。
それが快活な日々につながり、筋発達を大いに促すことにもなるのだ。運動と同じように食事もしっかり管理して、正しい食事を習慣づけるようにしよう。
アルコール
たまに飲むならストレス緩和にもなるだろう。しかし、飲み会が楽しくて、1週間に15杯もアルコール飲料を飲んでしまっているという人は要注意だ。高頻度で、しかも飲酒量も多かったりすると、体内のテストステロンレベルは確実に低下する。
ある実験では、被験者に一定期間にわたって一定量のアルコールを飲んでもらったところ、テストステロンレベルに明らかな変化が確認されたそうだ。
その理由は、飲酒によって体内でエタノールが代謝されることと関連があるのだそうだ。体内でエタノールが代謝されると、肝臓と精巣で、テストステロンの生成に関与する補酵素のニコチンアミドアデニンジヌクレオチド（NAD+）の量が減少する。つまり、飲酒によってこの補酵素が減少してしまうので、テストステロンの生成が抑制され、テストステロン値が低下してしまうわけである。
この研究を行った医学研究者たちによると、アルコールを大量に摂取すると、体内で作り出されるエストロゲン（女性ホルモン）の上昇、そしてテストステロンがエストロゲンに変換される率の上昇、さらにストレスホルモンのコルチゾールも上昇しやすくなるそうだ。これら一連の反応は、いずれもテストステロンレベルを下げることにつながる。
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