“令和の怪物”相澤隼人選手が武者修行として、先輩トップビルダーのトレーニングルーティンに挑戦するという月刊ボディビル誌の名物企画、ガチンコトレーニングバトル。今回は、1996、2000年にアジア選手権75㎏級優勝、2000、2006年にはボディビル日本選手権を制し、その屈強な身体つきから“鋼鉄の男”と呼ばれている谷野義弘選手のガチトレ。実際に行っている「胸」の種目の中から『ディップス』を紹介していこう。
取材・文_月刊ボディビルディング
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ディップス
狙う部位:大胸筋下部
この種目では、大胸筋の下部を狙って行う。ディップスといえば、身体が上下に動くイメージが強いのではないのだろうか?
しかし、この種目では上に身体を持ち上げるのではなく、斜め上前方向に向かって身体を持ち上げていく。持ち上げるという言葉が、ふさわしいのかは不明である。なぜなら可動域が想像していた以上に狭く、動作は単なる上下運動でなく、斜め下後ろから斜め上前といういかにも複雑であるからだ。身体が上にいく時は、頭を前にぶつけにいくような感じをイメージし、同時に大腿四頭筋の伸展も行うことによりある程度スムーズに動作を行うことができる。
1セット15回を目安に、この種目を行うのであるが谷野選手の仰るフォームでやると、後半に行くにつれて大胸筋が張り裂けそうになり、セットが終わった瞬間には大胸筋下部の張り出しが凄まじくなっていた。谷野選手はこのディップスにより大胸筋下部を発達させた。全盛期時代の谷野選手のサイドチェストの写真を見せて頂いたのだが、大胸筋下部が取れそうなくらい張り出していた。それはこのディップスを極めた選手であるからこそ、作り上げることができた張り出しであると言えるだろう。(相澤)
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