極太の腕もいいが、それよりも魅力的なのがバリバリに割れた腹筋だ。アスリートであろうとなかろうと、コンテストに出場する予定があろうとなかろうと、誰にとっても洗練されたシックスパックは憧れだ。ではそのために何をすればいいのか。
文:William Litz 翻訳:ゴンズプロダクション
昔から「腹筋はキッチンで作る」と言われたりしている。つまりは食事こそが重要であり、食生活の管理がしっかりできていれば、憧れの腹筋を手に入れることはそれほど困難ではないというわけだ。
確かに食事も重要なのだが、当然、食事だけでシックスパックは作れない。むしろ「腹筋はジムで刺激して肥大させる」ものであり、それを表面にくっきりと浮かび上がらせるには「脂肪をそぎ落とす食事」が必要になる。
腹筋はこの点で他の部位と異なる。胸筋や上腕二頭筋などは多少の体脂肪が乗っていても迫力は十分に伝わってくる。しかし、腹筋の場合、分厚い脂肪で覆われてしまえば、どれだけ厚みのある腹筋を作り上げてもその姿を見ることはできず、迫力は全く伝わってこないのだ。
腹筋は他の部位とは違う。筋発達と体脂肪の減量、この両方を目指さなければ憧れの腹筋を手に入れることはできない。ミスターオリンピアのリー・ヘイニーは以前、こう語っていた。
「どちらか一方だけを満たすだけでは結果はゼロに等しい」と。まさに腹筋はそういう部位なのである。カーフと腹筋をスケジュールにはめ込んでいくことが多いはずだ。
本来ならカーフと腹筋も、他の部位と同じようにハードで計画的なワークアウトが必要であり、決してスケジュールの隙間を埋めるための部位ではない。この点はしっかりと理解し、腹筋も他の部位と同じように扱ってほしい。
例えば人によっては、腹筋に特化したプログラムを一定期間だけ行いたいと考えているかもしれない。その場合に必要なことは、腹筋種目をワークアウトの最初に行うことだ。
腹筋は体幹部の筋肉なので、ワークアウトの最初に行うと、全身に血流を循環させるいいウォームアップにもなるのだ。ワークアウトの最初に行えば、体は疲労していないので、しっかりと腹筋を意識しながら集中力を高めて行うことができるはずだ。
しかし、だからといってジムに到着するやいなや、いきなり腹筋種目を開始しないほうがいい。どんなワークアウトを行う場合も、まずは全身に血液を回して体温を上げるために、5〜10分程度の軽いカーディオ種目を行うことは必須である。そうして汗がにじむ程度まで体温が上がってきたら、腹筋種目から開始するワークアウトに取りかかるようにしよう。
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William Litz
カナダのウィニペグで活動する有資格のパーソナルトレーナー。過去10年以上にわたり、フィットネス系雑誌やオンライン雑誌にトレーニング関連の記事を執筆してきた。ボディビルに精通しており、熱狂的なボディビルファンでもある。