体内のテストステロン値が高いと筋発達しやすい。つまり、テストステロンのレベルが高い人は筋力が伸びやすく、筋量が増えやすく、しかも体脂肪を減らしやすいので、フィジーク系アスリートを含む様々な競技者にとって有利な条件になるのだ。
文:Sarah Chadwell, NASM-CPT 翻訳:ゴンズプロダクション
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テストステロンを高める目的でトレーニングを始めたという人はあまりいないだろうが、実際にウエイトトレーニングを行うことでテストステロンの分泌量は増加する。
そのため、筋発達を目的にウエイトトレーニングを行っている人たちは、トレーニングで筋線維を傷つけ、体内テストステロンを高めるという2つの事柄を同時に得ることができるので、まさにウエイトトレーニングは一石二鳥と言えるのだ。
ただし、どんなトレーニングや運動でもいいというわけではない。テストステロンの生成を促すトレーニングもあれば、逆にマイナスになるような運動もある。
今回はテストステロンとトレーニングの関係を解説していくので、テストステロンの分泌を効率よく促し、目標の身体を作り上げていこう。アメリカ国立衛生研究所は、テストステロンについて次のように記述している。
「テストステロンは重要な役割を持つ性ホルモンである。男性にとっては性欲、骨密度、体脂肪、筋量、筋力の増減に関与するだけでなく、赤血球や精子の生成にも関わる大切なホルモンである」
テストステロンは男性ホルモンで、女性には無関係だと思うかもしれないが、そうではない。女性でもテストステロンは体内で生成されているのだ。ただし、その量はとても微量である。だからどれだけ高重量でのトレーニングを行っても、女性の筋量が男性のトップビルダーと並ぶレベルまで増えることはない。
テストステロンの分泌量の違いは性別だけではない。同じ男性でも個人差が大きいし、正常値であってもそれには幅があり、上限に近い正常値と下限に近い正常値では、これもまた大きな差になる。
正常値の上限に近い人は、下限に近い人よりも筋肉の発達速度が速い。同じトレーニング、同じ食事をしたとしても、この差は顕著に身体に表れる。テストステロンが正常なレベルで分泌されていれば問題はないが、正常値の下限に届かないようなら様々な不調が表れる可能性がある。やる気が湧かなかったり、性欲が低下したりするのも低テストステロンが原因かもしれない。
何だか不調続きで、筋発達も思わしくない気がするなら、試しにテストステロン測定の検査を受けてみるのもいいだろう。
また、ウィリアム・クレーマー氏らが行った研究では次のようにコメントされている。
「テストステロンは、骨格筋にあるアンドロゲン受容体に結合して作用する主要なアナボリック・ステロイドホルモンだ。また、骨格筋や神経組織にカタボリズムが起きるのを抑制する働きもあるため、テストステロンが骨格筋に作用すると筋力、パワー、持久力、そして筋肥大反応が低下しにくくなる」
実際、筋発達とテストステロンの関係を明確に説明するのは難しいのだが、少なくともテストステロンは筋線維を肥大させるために、筋中へのタンパク同化を促す働きがある。そして、結果的にそれが筋肥大をもたらすということは間違いない。だとすれば、アスリートにとって最大の関心は、どうすれば体内で生成され、分泌されるテストステロン量を増やすことができるかという点だ。薬物を使わずナチュラルにテストステロン量を増やす手段があるのかどうかを私たちは知りたいのだ。
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Sarah Chadwell
プロのライター、フィットネスライフ提唱者、パーソナルトレーナーとしてグループワークアウト・インストラクター、トレーニー、ボディビルダー、ビキニアスリート、フィギュアアスリートの指導する。