トレーニング

栄養とトレ―ニングのスペシャリストが考える「減量の5箇条」 後編

いかなるときにも
心を病まないこと

鈴木 減量でありがちなのは、全然落ちないといって落ち込んで、自律神経まで病んでしまうパターンです。自律神経が乱れると、昼夜逆転になってしまいます。交感神経が出ているときにしっかり動くことで脂肪が燃焼されるので、日中眠くて夜に眠れないと、むくんでしまって余計に落ちなくなるんです。

桑原 あまりストイックになりすぎると、心が窮屈になってしまいます。頑張るところは頑張る、緩めるところは緩める、そのバランスをうまく作って心を保つことが大切ですね。事実、あまり苦しそうに見えない人のほうが、減量はうまくいくんです。減量は、我慢比べではありません。

鈴木 つらい思いをするくらいなら、少し甘味のあるものを食べて満足したほうがいいですよね。

桑原 あとは、チートデーを設けておくのもいい方法だと思います。丸一日でなくて、一食の「チート食」でもいいんです。それがあると頑張れます。

鈴木 私のチートデーは減量食を多めに食べる程度ですが、我慢できない人は、むしろ積極的にチートデーやチート食を取り入れたほうが、精神的にすごくいいと思います。でも、たくさん食べてしまったことに罪悪感を抱いてしまうと、あまり絞れません。

桑原 そこで大事になるのは、チートデーをあらかじめ設定することです。我慢できずに突発的に食べてしまうと罪悪感につながるので、少し前から「この日の夜はチート食を食べよう」と決めておくこと。多くの人は、社会人としてお付き合いもあると思うので、「今週の金曜の夜は飲み会だからそれはチート食」と計画的に入れておくのが、上級者のテクニックです。

鈴木 それによって逆に落ちることもありますよね。

桑原 そうなんです。最初は怖くても、思い切って食べると、次の日の体重は変わっていなかったり、むしろ減っていたりすることもあります。計画性があれば罪悪感もなく、心にもいいと思います。

減量に睡眠は必須
しっかり寝よう

桑原 減量には、睡眠も大事です。寝ているときは、睡眠時代謝になるので代謝は落ちますが脂肪は燃えます。寝ている時間は長いので、その間の脂肪燃焼効率を上げるのは減量にはとても有利な方法なのです。ただ、睡眠時の脂肪燃焼条件は、空腹であること。寝る直前のプロテインや食事を避けたほうがいいのはそのためです。一方で、先ほど話したように、空腹だと筋肉がカタボリックになりやすいので、寝る前にグルタミンやアミノ酸を補充すると、理想に近いでしょう。日中は目一杯栄養素を入れてエネルギーを使って、寝ているときは筋肉の分解を守った上で飢餓状態にする。その循環がうまく回るといいと思います。

鈴木 減量中、睡眠時間が少ない日が続いて、ある日しっかり眠れると、それだけで体重が落ちることもあるので、不思議です。

桑原 もちろん、睡眠はリカバリーになっているので、しっかり眠れればトレーニングの質が上がって好循環になりますしね。

鈴木 私は普段、なるべく6時間は寝るようにしていて、日中にも10分だけ仮眠します。4時間半くらいしか眠れないときもあるのですが、それだとやはり体がだるく感じますし、トレーニング後にはすぐに眠くなります。そう考えると本当は7時間くらい寝たほうがいいのかもしれません。

桑原 運動強度が高いので、余計にそう感じるのかもしれませんね。

鈴木 睡眠は本当に大切なので、減量中、おなかが空いて眠れない人は、小腹を満たす商品をうまく活用するといいと思います。30~50キロカロリーのプロテインバーやヨーグルト、あとはダイエットコーラを飲んで乗り切る!という人もいます。

桑原 おなかが空いているのは血糖値が下がっているからなので、チョコレートを一かけらだけでも食べてほっとするなら、僕はそのほうがいいと思います。その一かけらで次の日脂肪が増えたり、たくさん太ってしまうなんてことはあり得ませんから

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