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プロテインいつ摂ればいいのか?ゴールデンタイムなんて存在しない?

プロテイン・タイミングやアナボリック・ウィンドー

プロテイン・タイミングとは、どのタイミングでタンパク質を摂取すれば最も体に効率よく利用されるかを示すものだ。

体が特定の栄養素を効率よく利用するのは、その栄養素がしっかり消費されたあと、すぐに補給された場合ではないだろうか。例えばタンパク質なら、運動中にタンパク質は炭水化物と共に消費されるので、ワークアウト後に補給されるのが最も理想的であるという主張が多くのトレーニーたちの賛同を得た。

しかも運動によって筋肉は傷つくので、それを修復するためにもタンパク質は有用だ。そういったことからも、疲労回復と傷の修復、そして消費分を補給する目的で、ワークアウト直後にタンパク質を摂取するのが正しいと認識されていったのだ。タンパク質を最大限有効に活用するにはタイミングが重要であるという考え方から、アナボリック・ウィンドーという言葉が生まれた。この窓(ウィンドー)が全開している時間帯にタンパク質を体に供給すれば、窓から大量のタンパク質が流れ込み、筋肉に同化されるというイメージである。

この窓が全開している時間は、当初の研究ではワークアウトを終えてから30分以内であると言われていた。

だからトレーニーたちは、ワークアウトを終えるとはってでもロッカーに向かい、準備してきたプロテインシェイクを飲むようになったのだ。このタイミングでプロテインを体に補給することでトレーニング効果を最大限に活かし、筋肥大と筋力向上が得られると確認されてきたのである。しかし、研究が進むうちに、アナボリック・ウィンドーが開いているのはワークアウト直後の30分ではなく2時間であるという主張に変わってきた。

これが広まったことで、それまで見られたような、ワークアウト直後に何がなんでもプロテインシェイクを!というような風潮はやや薄らいだようだ。それでも、ワークアウト後にプロテインを摂取することが有用であるという考え方に変わりはないのである。

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ワークアウト前のタンパク質摂取は効果的?

ところで、ワークアウト前のタンパク質摂取は重要ではないのだろうか。トレーニーの中にはワークアウトの30〜60分前にプロテインシェイクを飲んでいるという人もいるはずだ。そういう人たちは、事前にプロテインを体に補給することで、ワークアウト中のエネルギーレベルを高く維持できるという主張を聞いたからであろう。

しかし、ワークアウト前にアミノ酸を体に供給しても、摂取しなかった被験者と結果に大差は見られないという実験結果もあるのだ。これについては、研究者たちは「アミノ酸の飽和状態」が原因ではないかと推測している。

つまり、すでに血中アミノ酸濃度が適度に高められている人の場合、それ以上のタンパク質を補給して血中のアミノ酸濃度を高めても、筋肉が同化できるタンパク質の量には上限があるというわけだ。上限を超える量を補給しても筋肉には使われない。被験者がワークアウト前までに数回の高タンパク質食をすでに食べているのだとすれば、ワークアウト前にプロテインシェイクを飲んでも、上限を超えたタンパク質は体に取り込まれないのではないかというのが研究者たちの推測したアミノ酸の飽和状態なのである。

ワークアウト後のタンパク質は必須

ワークアウト前のタンパク質については、アミノ酸濃度が飽和状態になっていなければ摂る意味があるが、すでにワークアウト前までに高タンパク質の食事を数回しているという人では無駄になる可能性もある。では、ワークアウト後のタンパク質摂取についてはどうか。ワークアウト後の筋線維は傷ついて疲労しているし、体内のタンパク質も消費されている。

そのため、ワークアウト後のタンパク質摂取については、どんなトレーニーにも有効であると考えられる。実際、ワークアウト後のタンパク質摂取について否定的な結果が得られた実験はほとんどない。効果ありという結果が安定的に得られているので、ワークアウト後のタンパク質に関して言えば、やはり摂取したほうがいいだろう。

また、ワークアウト後は、運動によって筋肉のタンパク同化が行われやすい体内環境が作られているので、このタイミングは逃したくない。ワークアウト後に20gのホエイプロテインを摂取することは、疲労回復や筋線維の傷の修復を促すだけでなく、タンパク質の筋中同化を促す目的においても勧めたいことだ。

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