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神経質になりすぎないプロテインのタイミング 後編

理想的な摂取量

タンパク質の摂取量についてこれまでの実験結果をまとめると、アスリートの場合は体重1㎏あたり1.2 〜2gのタンパク質を毎日摂取することで、筋肥大を最大限に高められるというのが目安になる。また、多くの実験で、タンパク質の同化率は3、4gのロイシンを摂取することでより高められると結論づけられている。よって、ホエイプロテイン商品を選択するときは、1回の摂取で3、4gのロイシンが含有されているかどうかを確認するといいかもしれない。アミノ酸の飽和状態を考慮するなら、1回に摂取するプロテイン量は20gが適量だろう。ムーア博士が行った研究では、20g摂取の場合も40g摂取の場合も結果に差は見られなかったそうだ。そうであるなら、20g以上のタンパク質を1回の食事で摂取しても、体が利用できるのは20gまでで、それ以上はムダになると考えていいかもしれない。

タンパク質食の種類

タンパク質食には様々なものがある。肉、乳製品、卵などにはタンパク質、ロイシン、その他のアミノ酸がふんだんに含まれている。魚、穀類、ナッツ、種子、豆などもタンパク質は豊富だ。これらの食材を使った料理を準備すればタンパク質を十分に補給することができる。多くのアスリートが利用しているプロテインサプリメントはパウダー状のもので、原料としては牛乳、卵、豆、米などがあるが、最も多く利用されているのは牛乳を原料にして作られたホエイプロテインだ。プロテインサプリメントを利用している人はおそらく一日に1回以上は摂っているのではないだろうか。それを毎日続けているとすれば、年間で最低でも365杯(スクープ)のプロテインパウダーを摂取していることになる。それだけの量を消費しているのだから、できるだけ高品質のものを選択すべきだ。粗悪品には十分に注意しよう。


調理をして食事をすることが多い人の場合は、できるだけ様々な食材からタンパク質を摂るようにするといいだろう。なぜなら、食材によって構成されているアミノ酸の種類や種類ごとの量が異なるからだ。様々な食材を食べることで、どのアミノ酸もまんべんなく体に取り込むことができるはずである。牛乳に含まれるタンパク質は大きく分けると2種類ある。ホエイとカゼインだ。ホエイはもともと牛乳からチーズやヨーグルトが作られるときに分離された不要物で、ホエイについての研究が行われる前までは廃棄されていた。ホエイが分離された後、カードと呼ばれるものが残る。ホエイは水溶液だが、カードは固形部分で、これがチーズやヨーグルトのもとになるのである。研究が進み、ホエイに価値があることがわかると、分離された水溶液状のホエイは加工され、脱水処理がされ、パウダー状になった。これが私たちが利用しているホエイプロテインである。ホエイが優れていると言われるのは必須アミノ酸がすべて含まれているからだ。つまり、ホエイは完全無欠のタンパク質なのだ。必須アミノ酸は体内で作ることができないため食物から摂取するしか方法がないのだが、ホエイを摂取すれば体内で作り出すことのできないアミノ酸を全種類取り込むことができ、これが筋肉の発達に大いに貢献してくれるのである。

大切なのはタンパク質を
食べ続けること

筋発達のために高品質のタンパク質を摂ることは誰にとっても有用なことで、これについての異論はない。だから、ジムに行くなら今までどおりプロテインパウダーを入れたシェイカーを持参しよう。ただ、以前ほどタンパク質の摂取タイミングについて神経質になる必要はないかもしれない。実際、多くの研究で、タイミングにこだわらずに摂取することが大切であるということが示されている。ワークアウトを終えたら、直後でなくても構わないのでタンパク質をしっかり食べる。そして、できるだけ1回20g程度を摂るようにする。さらに、食事メニューは一日を通してタンパク質をしっかり摂れるような内容にする。結局のところ、筋発達を望むなら「タンパク質を食べ続ける」ことを忘れてはならないということだ。

by Sarah Chadwell, NASM-CPT

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