ここ最近の「筋トレブーム」によってフィットネスクラブも増加し、24 時間営業のジムも増えてきたが、それでも都市部以外では、通える範囲にジムがあるという人のほうが少ない。家の近くにジムがあっても、仕事と営業時間が重なっていたりなど、ジムに通えないという人も多い。そして、昨年から大流行の脅威を奮う「新型コロナウイルス」により、ジムに行くのを避けざるを得ない状況の人もいるのでは? ならば自宅にトレーニングできる器具をそろえて「ホームジム」を作るのはいかがだろうか? ホームトレーニー必見の大特集、ぜひご覧ください。
取材・文:アイアンマン編集部
ジャガーこと佐藤貴規流ホームトレーニング
◆器具の順番待ちもないので、スーパーセットも思う存分できます
私がトレーニングを本格的に始めた場所はホームジムのような空間でした。10代のときに空手道場で補強の一環としてトレーニングを開始したのですが、当時の道場にはラック幅の狭いベンチプレス台とバーベル、それに少しのプレートしかありませんでした。スクワットをやるときはベンチ台の頭のほうからラックに潜り込んで担いでいました。
あの環境を思い出すと、今回の器具一式はだいぶ豪華ですね(笑)。パワーラックもありますし、細かい部位の鍛え分けは難しいですが、おおまかな部位で言えば、現行のトレーニングと遜色なくできると思います。ただ脚の収縮系種目のレッグエクステンションやレッグカールができないので、その分、シシースクワットやスティフレッグデッドリフトなどストレッチ系の種目のセットは増やしたほうがいいかもしれません。
ホームジムでは、できる種目がどうしても限られてきて、細かい部分での鍛え分けの選択ができませんが、1種目あたりのボリュームを増やすことで十分トレーニングできると思います。ホームジムのメリットの一つは
自分の好きなタイミングで器具を自由に使えることです。音楽もイヤホンで聞かなくてもよくて、好きなDVDを見ながらのトレーニングもできます。器具の順番待ちもありませんし、スーパーセットもジャイアントセットも思う存分できます。
私は普段、肩や腕などで100レップスのセットを入れたりもしますが、そういった極端な高回数のセットであれば、重い重量は必要ありません。重さという点での強度は落ちるかもしれませんが、その分レップス、頻度を増やすことで調整できます。最近よく思うのですが、昔の選手で、今のようにマシンもなく、バーベルとダンベルしかない時代だったのに、今の選手よりすごい体していた人もいるじゃないですか。そういうのを知っていると、逆に今はジムに通える人にとっては、恵まれすぎている部分もあるかなと思います。原点回帰というか、伸び悩んだときに、それこそバーベルのみの種目で鍛え直すというのもひとつの手だと思います。