トレーニングしているわりには腕が太くならない、バランス的に腕が弱いなど、悩みを感じているトレーニーも多いのではなかろうか。ここでは鈴木雅選手が腕トレに関する疑問をQ&A 形式で解説。初級者~上級者まで、段階的に腕のトレーニングを紐解いていく。
取材・文:藤本かずまさ
適したトレーニング量は、どのように考えればいいですか?
次のトレーニングを行ったときの感覚を目安にすればいいでしょう
「次のトレーニングを行ったときに伸びているかどうか、感覚がいいかどうかで判断していいでしょう。量が多すぎると、次回のトレーニングの際に感覚が悪かったり、『伸びる気がしない』と感じたりすることがあります。
ここ最近の傾向としては、あまり追い込まないと言いますか、あと1、2回はチャレンジできるんじゃないかと感じる人が多いように思います。また、今はいろんなマシンがあるので、それらをいろいろと試した結果、トレーニング量が多くなりすぎているといった方も見受けられます。
しっかりと追い込めているのであれば、3、4種目で十分だと思います。私は3種目を3セット、3セット、5セットで組んでいます」
やはりフリーウエイトを優先すべきですか? マシンも使用すべきですか?
両方を活用すべきだと思います。バーベル、ダンベルだけでは補えない部分をマシンで補う、という考え方です
「フリーウエイトでは重力の方向に負荷がかかっています。カール動作、例えばコンセントレーションカールで収縮ポジションで力こぶをつくって静止するのは難しいです。そこでは上体を後ろに傾けてしまいがちですが、すると負荷は抜けてしまいます。
マシンでは、その収縮ポジションでの負荷を補うことができます。最大収縮時に効率よく負荷をかけることができるのです。
一方、フリーウエイトではターゲットとする二頭筋以外にも、ダンベルやバーベルを支える際に動員される橈とうこつ骨筋や上腕筋なども鍛えられます。そういった前腕の筋肉、二頭筋を下から押し上げてくれる上腕筋が発達しないと、腕の迫力は出てきません。
ただ、力こぶをつくるという点ではマシンはかなり有効です。フリーウエイト、マシンそれぞれの利点を理解して、その両方を取り入れるべきだと思います」
続けてお読みください。
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鈴木 雅
1980年12月4日生まれ。福島県出身。身長167cm、体重80kg ~83kg。株式会社THINKフィットネス勤務。ゴールドジム事業部、トレーニング研究所所長。2004年にボディビルコンテストに初出場。翌2005年、デビュー2年目にして東京選手権大会で優勝。2010年からJBBF日本選手権で優勝を重ね、2018年に9連覇を達成。2016年にはアーノルドクラシック・アマチュア選手権80㎏級、世界選手権80㎏級と2つの世界大会でも優勝を果たした。DMM オンラインサロン“ 鈴木雅塾”は好評を博している。
執筆者:藤本かずまさ
IRONMAN等を中心にトレーニング系メディア、書籍で執筆・編集活動を展開中。好きな言葉は「血中アミノ酸濃度」「同化作用」。株式会社プッシュアップ代表。