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日本一の完成された筋肉を決める『日本ボディビル選手権』、2019年最年少ファイナリスト・相澤隼人選手が圧巻の優勝で会場が歓喜した

2019年、史上最年少で“ミスター東京”こと東京ボディビル選手権を制し、同年9月の日本クラス別ボディビル選手権4位、日本ボディビル選手権9位入賞という史上稀に見る成績を収めた相澤隼人選手。昨年は新型コロナウィルスの影響で、国内の主要大会は全て中止となり、相澤選手は1年間のオフを余儀なくされた。

しかし、このオフが相澤選手にとっての転機となり、こんな気付きがあったと言う。

「コロナで大会がなくなり、過度な減量をしなかったというのが一番かもしれません。毎年夏に減量をしていたので、大会がある9月、10月はいつも勝利を追いかける精神状態になっていたんです。でも昨年は試合がなく、そこで世界の広さに改めて気づかされたと言いますか、人生はボディビルだけではないんだと」

そして、昨年からのオフは19年以前と違い、トレーニングもプライベートも充実したという。また、トレーニングのアップデートも相まって、今年の相澤選手は19年から何倍も大きくなってステージに上がってきた。

ここでは、優勝インタビューの一部を紹介する。

 

――大会から数日が経過しました。改めて現在の心境はいかがでしょう。

相澤 まだあまり実感はありません。「ミスター日本」は僕の中では本当に権威のある大会で、全国から集まった選りすぐりの選手たちが立つ舞台です。今回、そのような大会で優勝という結果をいただけましたが、僕はまだ自分自身の身体に満足はしていません。
もっと筋肉をつけなければいけませんし、絞りに関してももう2段階は上げなければいけません。僕は鈴木雅さんの背中をずっと見てきました。僕の中でのチャンピオン像は、鈴木さんのような威厳のある選手なんです。僕みたいな若造が本当にチャンピオンでいいのだろうかと。僕が憧れたチャンピオンの方々と比べると、自分なんかまだまだです。

――今シーズンは「楽しむ」ことをテーマにされていたそうですね。

相澤 これまでで最も充実したシーズンになったと思います。これは試合がなかった昨年に視野を広げることができたのが大きかったと思います。

――というのは?

相澤 もちろん大会に出るからには優勝を目指します。ただ勝利にこだわりすぎると、本来の自分の目的が分からなくなってしまう。自分の身体を理想に近づけたいから、僕はボディビルをやっているんです。でも、あまりにも勝ちにこだわるとその理想を見失って過度な減量をしてしまったり、過度に運動量を増やしてしまったりしてしまう。2019年の僕がそうでした。

そう語る相澤選手は、来年も“挑戦者”という気持ちを忘れずに、日本ボディビル選手権出場を目指すという。

また、19年に思わぬ挑戦者に1位の表彰台を奪われた澤田めぐみ選手。今年は万全ではないと語りながらも、3度目の優勝を果たし日本女子フィジーク女王に返り咲いた。

「今年は前回のチャンピオンが出場されませんでしたが、いずれにしても『私がチャンピオンになる』と決めていましたし、オール1位票が私の中で決めていたチャンピオンの絶対条件だからです。周りの方に『大丈夫です。任せてください(笑)』と…。実際、今大会に向けての私の気持ちはすごく上がっていて、私の中だけのことですが…、負ける気はしませんでした(笑)。そして、有言実行を果たせて、また、圧勝できて、安心したというか、安堵の気持ちと言うことですね」

と、チャンピオンの座につく澤田選手らしい答えを語った。

実は、日本女子フィジーク選手権の前哨戦で出場した日本クラス別選手権から、体重を1㎏以上落としたというのが驚きだ。絞りをさらに厳しくして日本選手権に挑む澤田選手の“過去自分に負けない”気持ちは、今年は一層強かったのだろう。

今年の日本ボディビル選手権は、新たな若手選手や新人選手が頭角を現し、ファイナリストの中で順位が大きく変わるなど、“日本ボディビル界”の世代交代を感じさせる大会となった。

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