トレーニング

筋肥大をするために効率のいい筋トレ種目とは?

ネガティブ(下ろす動作)に重点を置く

思考はポジティブなほうがいいが、ウエイトトレーニングについて言うならネガティブ(下ろす動作)に重点を置くのがいい。なぜなら、ネガティブ動作は筋肉が長さを伸ばしながら強い緊張状態をつくり、それがより強い刺激を対象筋にもたらす。ましてやこのネガティブ動作をゆっくりしたスピードで行うと対象筋が受ける刺激はさらに大きくなる。 筋肉が長さを伸展しながら緊張状態をつくると、そのときに出力される力はウエイトを上げる動作(ポジティブ)より大きい。しかし、体にかかっている負荷は上げるときも下ろすときも変わっていないので、ネガティブ動作のときは動作に関与する筋線維の数は少なくなる。だとしたら筋発達にはマイナスではないかと思うかもしれないが、少ない筋線維でも運動に関与する筋線維がより強い刺激を受け、大きなダメージが筋線維にもたらされるのだ。


筋肉発達にはダメージが必要だ。刺激によってダメージを食らった筋線維は傷つくが、その傷の修復が行われる過程こそが筋発達である。なぜなら、傷の修復によってより強く、より太く筋線維は生まれ変わることになるからだ。これまで実施されてきた多くの実験から、多関節種目とネガティブ動作の組み合わせは、筋発達にとても効果的であることが示されている。これは筋線維が受けるダメージが強いからだと考えられる。バルクアップのために多関節種目を積極的に行うなら、ぜひウエイトを下ろす動作、すなわちネガティブ動作をゆっくりしたスピードで行うようにしてみよう。

トレーニング量を増やす

バルクアップを目指すなら、トレーニング量を増やす必要がある。トレーニング量を増やす際は計画的に行う必要があり、そのためには数字で管理するのが分かりやすい。以下の公式はトレーニング量を数字で示す際に用いることができるものだ。

トレーニング量の計算方法

●重量×レップ数×セット数=トレーニング量

この公式を見ると分かるとおり、トレーニング量を増やすには、重量を増やす、またはレップ数を増やす、またはセット数を増やすことで可能になる。仮に重量を増やしても、セット数やレップ数が減少してしまってはトレーニング量を増加させることは難しい。同じ使用重量とセット数でも、前回のワークアウトより1レップでも多くこなせればトレーニング量は増加したことになる。このように、まずはレップ数を増やしながら筋持久力や筋力を向上させ、それからセット数を増やしたり、使用重量を増やしてトレーニング量を総合的に増加させていこう。トレーニング量を確実に増やしていくためには、ワークアウトのたびに行った種目のセット数、レップ数、使用重量を全て記録しておくこと。記録があれば、次回のワークアウトで何をどれだけやるべきかについて正確に計画を立てることができる。トレーニング日誌はそのための記録帳でもあるのだ。

質の高い睡眠を取る

私たちの体は眠っている間に疲労回復や修復が行われている。眠っていても、身体機能は活発に働いているのだ。また、体内で分泌される成長ホルモンは、1日の中で睡眠時が最も高まるとされている。だからなおさら十分な睡眠が必要なのである。もちろん睡眠の質も大事だ。浅い眠りではなく、できるだけ深い眠りを得ることが必要なのだ。夜更かししたり徹夜の日が続くと、筋発達を遅らせてしまうことになりかねない。『インターナショナル・スポーツサイエンス・アソシエーション』は睡眠について次のように述べている。


「ヒト成長ホルモンは、筋肉の疲労回復と発達をもたらす重要な物質である。成長ホルモンには他にもさまざまな役割があるが、私たちの体は摂取したタンパク質からのアミノ酸を最大限に利用するために成長ホルモンの働きが必要なのだ。そんな成長ホルモンの分泌が最も増加し血中に放出されるのは、私たちが眠っているときだ。だからこそ眠りは筋発達に不可欠であり、睡眠量が少ないと筋肉は発達しないどころか減少してしまうのである」。どうしても毎日8〜10時間の睡眠が取れないという人は、1日のスケジュールを見直して、せめて今より30分でも早くベッドに入るように心がけよう。8〜10時間の睡眠は長すぎると思うかもしれないが、毎日ストレスに晒され、酷使されている体のことを考えたら長過ぎるとは言えないはずだ。

最後に

ジムに行ってトレーニングをする目的は筋肉にダメージを与えるためだ。しかし、ダメージが与えられているその瞬間に筋肉発達しているわけではない。では、筋肉はいつ発達反応を示すのか?それは、ダメージを受けたあとに適切な食事をし、十分な睡眠を取っているときだ。このタイミングで筋発達反応が起きることが分かっていれば、ジムでどれだけハードなトレーニングを行っても、それだけでは不十分だということが理解できるはずだ。筋発達を求めるならトレーニング、栄養、睡眠の3つは必須条件なのだ。どれかひとつでも疎かになればバルクアップは得られないということをしっかり理解しておこう。

続けてお読みください。
▶筋肥大効果を最大限引き出すテストステロンの重要性

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