今年、17年の日本ボディビル選手権出場キャリアの中で最高位の2位にまで登り詰めた、日本ボディビル界の“ジュラシック”こと木澤大祐選手のボディビル珍エピソードを紹介! 世界七不思議、七つの海、虹の七色、七にまつわるいろいろな事象が世の中にはあるが、ジュラシック木澤選手にも都市伝説的な七つの(あるいはそれ以上!?)逸話があるとかないとか。 その真実に迫る !
文・写真:岡部みつる、アイアンマン編集部 写真提供:木澤大祐 大会写真:中島康介
1日3時間睡眠でジャパンオープン制覇!?
「29歳のころ、佐川急便を辞めて(株)近藤に入ったあとの話ですね。週2回は深夜からの不規則な勤務で3時間、どうかすると2時間程度の睡眠でした。
ただし、終わってちょっと仮眠みたいなことはありましたけれど。社会人になって『休息』という側面を捨てました。そこを追求すると『何でこの仕事に就いたんだ ! 』というネガティブな思考に陥るので、その考えは捨てて、覚悟を決めて取り組みましたね。
『トレ時間を確保することが最優先課題』で、そこさえ押さえておけばOKという姿勢です。それでも勝てたのは佐川時代があったからです。仕事自体がもっとキツくて『睡眠が3時間』というレベルじゃなかったんです。
レッグカールでうつ伏せになった途端に睡魔に襲われて落ちちゃう、トレ中に疲れ過ぎてて失禁しちゃう、そんな感じでしたよ。この時代があったから睡眠3時間なんて何でもなかったですね。
佐川時代は基本の『トレ時間の確保』が難しかったので、睡眠時間どうこうの問題ではなかったんですよ」
そう語る木澤選手のトレーニングに対する意欲は、並み大抵の物ではない。普通では考えられない努力と執念を感じた。
トレーニングのために睡眠や休息を削るなんてと思ってしまうが、これこそが日本一になれた理由であり、それだけのことができる才能を持っているのだと思えたエピソードだった。
木澤大祐(キザワ ダイスケ)
1975年1月9日生まれ、愛知県名古屋市出身。身長170cm、体重82㎏(オン)、オフ(89㎏)医療廃棄物の回収という肉体労働をしながら大会出場を続けていたが、2017年2月にJURASSIC ACADEMYをオープン。2019年4月には独立してオーナーに。爆発的な筋量を誇り「ジュラシック木澤」「東海の恐竜」の異名で多くのファンを持つ。2020年7月7日からJURASSIC KIZAWACHANNEL(YouTube)を開設。登録者数4.6万人。一男二女の父。
主な戦績:1995年 日本ジュニア選手権優勝、2003年 ジャパンオープン選手権優勝、2008・2019年 日本選手権4位、2014・2015・2019年 日本クラス別選手権85㎏級優勝、2021年 日本選手権2位