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ジオラマのような背中づくりに欠かせないトレーニング!効果的なグリップはどれか?

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ボディビルやフィジークコンテストで上位入賞を狙うなら、本気で背中を発達させていかないと目標達成は難しい。背中は、ひとつの部位というより複数の筋肉が集まって構成されていて、しかもそれぞれが複雑に折り重なっている。背中を構成する全ての筋肉が発達すると、全体の厚みや幅が増し、さらに体脂肪を落とすとまるで入り組んだ山や谷が形作るジオラマのように見える。筋肉自体が折り重なって背中を構成しているので、特定の筋肉だけに効かせるというわけにはいかない。つまり、選択した種目によっては、常に刺激される筋肉も出てきてしまうわけで、そのような筋肉はオーバートレーニングに陥る危険性が高まる。もちろん、逆のケースもある。種目の選択の仕方によっては、ほとんど刺激されずに取り残されてしまう部分も出てくるかもしれない。だから背中のワークアウトでは種目の選択がより重要になってくるのだ。では、どんな種目を選択して組み合わせればいいのか。それを決めるためには、自分の背中が現在どのような状況であるかを客観的に分析する必要がある。何が足りないのかをできるだけ冷静に判断し、その分析が明確であればあるほど、必要なワークアウトが絞られていくはずだ。

文:Sarah Chadwell, NASM-CPT 翻訳:ゴンズプロダクション

幅が不足している背中を克服する

すでにそれなりにトレーニング歴があり、次のレベルにステップアップしていきたいという中級者&上級者で、背中の幅づくりに重点を置きたいという場合、推奨できる種目には上のようなものがある。

ただし、どれだけトレーニング歴が長くても、背中のワークアウトには必ずデッドリフトを加えるようにしてほしい。トレーニング歴にかかわらず、デッドリフトは背中のための基本種目であり、筋量アップには欠かすことができないのだ。

上に記載した4つの種目は、昔から背中の幅づくりに役立つと言われてきた。基礎が出来上がっているトレーニーで、自分の背中を客観的に分析した結果、幅が不足していることを痛感しているのであれば、ぜひそれらの種目をワークアウトに組み込むことをおすすめしたい。

次はスーパーワイドグリップ、ワイドグリップ、ナローグリップは背中の幅づくりに有効なのかを解説していく。

スーパーワイドグリップは無意味

読者の中には、バーを握るときの手幅を広くすればするほど、背中の幅を作るのに役立つと理解している人もいるだろう。手幅をかなり広くしたスーパーワイドグリップで行う種目は大円筋と小円筋、三角筋後部を刺激するが、場合によっては肩関節を痛めることになるので注意が必要だ。

それでも、広背筋への刺激が十分に得られて、幅を作るのに効果的ならそれでもいいと思うかもしれないが、残念なことに、手幅が広すぎると広背筋への刺激をむしろ制限してしまうのである。

実際にラットプルダウンマシンで、バーをさまざまな幅で握って試してみよう。可動域が最も広く、広背筋への刺激が最も強くなるグリップ幅は、決してスーパーワイドではないはずだ。広すぎるグリップ幅でラットプルダウンを行うと、可動域が極端に狭くなり、しかも広背筋を十分に収縮させることができないのである。適切な手幅を見つけよう。

ワイドよりナローなのか?

幅を作るなら、ワイドグリップ・チンニングなどは必須種目とされていた。ところが、アイアンマンマガジンでトレーニング記事を定期的に執筆してきたグレッグ・ツーラックが、広背筋をアイソレートさせるためにナローグリップでのチンニングを行うボディビルダーが増えてきたと指摘している。

確かに広背筋をストレッチさせることに重点を置くなら、ワイドよりナローグリップのほうがいいかもしれないが、幅を作るのにも効果的なのだろうか。グレッグ・ツーラックによると、ワイドグリップのバリエーションをより多く行ったトレーニーのほうが、背中の凹凸を強調するような発達を得やすい傾向があるということだ。

結局どちらが幅を作るのに有効なのか。背中の総合的な発達を考えるなら、どちらも均等に行うのがいいのだろう。それでも、昔のボディビルチャンピオンたちはワイドグリップでの種目を積極的に行っていた。そして、彼らの背中はすさまじく幅があり、迫力があったことは否めないのだ。

最近のボディビルダーたちはナローグリップ種目を積極的に行っているとしても、昔のやり方を排除する理由にはならないはずだ。

私たちがずっと憧れてきたチャンプたちがどのようなワークアウトを背中に行ってきたかを知ることで、背中の幅を作るための方法を学ぶことができるのである。

幅を作ることを目標にするなら、まずはワイドグリップでのチンアップだ。できるだけたくさんのレップを行うことを意識しよう。体重だけの負荷でも最初は思ったほどレップが行えないものである。それでも、筋力が少しずつ向上していけば、確実に1セット内で行えるレップ数は増えていく。毎週こなせる回数を1レップでも増やせればいいのだ。

セットあたり8〜12レップができるようになったら、ワイドグリップにこだわらずニュートラルグリップ(手のひらが向き合うように握れるハンドル)を使ってこの種目を行うようにすると、今までとは異なる刺激が得られて新鮮だ。ワークアウトの強度をより一層高めたいのなら、2つの種目をスーパーセットにして行うという手段もある。例えば、強烈なのはチンアップとプルダウンをスーパーセットで3サイクル行うというやり方だ。スーパーセットで行うことで筋肉の筋緊張時間が延び、猛烈なバーン感が得られる。そしてもちろん、その刺激は幅を広げるのに大いに役立つはずだ。

強烈なパンプで広背筋を仕上げる

背中に重点を置いたワークアウトを行うなら、最後は強烈なパンプで仕上げたい。ボディビルの黄金時代に活躍したボイヤー・コーは、広背筋に破裂せんばかりのパンプを得るために、トライセット法をよく用いていた。

1種目目にワイドグリップ・チンニング、2種目目にシーテッド・ケーブルロウ、3種目目にクロスベンチ・ダンベル・プルオーバー。

2種目目のケーブルロウでは、さまざまなハンドルを使ってみよう。それぞれに特徴があることがわかるはずだ。例えば、D字ハンドルは自由に動作の角度を変えることができる。そのため、手首を固定させずに、より強い収縮を広背筋に得るために可動域中でひねりを加えることができる。ロープハンドルもまた手首の自由がきくので、身体にハンドルを引きつけたときに、肘を背面で内側にしっかり引き込むことができるはずだ。これも広背筋の収縮を強めるのに役立つ。

ここで行うレップ数は多めにすること。1種目目のチンアップは少なくてもいいが、残りの2種目は12〜15レップをセットごとに行おう。また、3種目を1セットずつ連続して行い、2サイクルを目標にして、確実に広背筋への血流量を高めるようにしよう。

ロウイングではしっかり収縮させ、プルオーバーでは確実にストレッチ感が得られるようにする。このトライセットを終えたら、必ず左右の広背筋に十分なストレッチを行うこと。左右それぞれに60秒ずつ、しっかり背中を伸ばしておこう。

パンプアップした部位をストレッチさせるのは非常につらいことだが、これを行っておくことで、疲労回復を大幅に促進することができるのだ。

筋発達を促す手段のひとつとして、ジョン・パリーロは積極的にストレッチを行うことを推奨していた。また、ストレッチが行き届いた筋肉は、長さも幅も厚みも作られやすい。特に広背筋のような大きな筋肉の場合、ストレッチによって効率よく上半身のV字型を完成させることができる。

このような理由から、広背筋のストレッチは怠らないようにしたい。パンプアップした筋肉をストレッチする際は苦痛が伴うが、それによって得られる効果は間違いなく大きいはずだ。

チンニングのコツ

コツ①

バーにぶら下がったとき、最初から肘を少し曲げた状態を作ると、動作中、上腕二頭筋への刺激が強くなってしまうこともある。背中のためにこの種目を行うなら、まずは広背筋を強く緊張させながら身体をボトムからトップへと引き上げていこう。最初から肘を曲げない限りは、上腕二頭筋が主役になることは避けられる。スタートポジション(ボトムポジション)では、動作を開始する前に肩が下方に引き下ろされていることを確認しよう。また、バーを強く握ろうとせず、バーに手を引っかけるようなつもりで握ってみよう。

コツ②

チンニングを確実に背中に効かせるなら、バーはサムレスグリップで握るようにしよう。

親指をバーに巻き付けたグリップは腕の引く力を強めるが、ここでの目的は出力を増すことではなく、背中の筋肉を筋肥大させることだ。サムレスグリップなら上腕二頭筋の関与を制限することができ、背中を主動筋にすることが可能になる。上腕二頭筋をできるだけ運動に参加させないようにすることが背中のトレーニングではとても重要になる。サムレスグリップで握り、背中への意識を高めよう。

コツ③

チンニングでは身体を反らせすぎないようにしたい。背中が反ってくると、刺激が中背部に分散されやすくなってしまう。もちろん、それを目的にしているならかまわないが、幅を広げることが目的なら背中を反らせすぎないようにして動作を行うようにしよう。

どうしても後ろに身体が反ってしまう人は、身体を引き上げる際に膝軽く前に出すようにしてみるといい。このコツはジョン・パリーロから受けたものである。身体を反らせすぎない体勢を心掛けたい。

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