トレーニング mens

筋トレ歴半年以上経った人が「さらなる筋発達するために知りたい7つのこと」

漸増負荷のためにできること

漸増負荷は継続的な筋発達のために不可欠で、負荷を増やす方法はさまざまであることを簡潔に紹介した。では、次にそれらのやり方について詳しく解説していこう。

【#1:正確なフォームとフルレンジ動作】
トレーニング歴が長くなっても、どの種目も正確なフォームで、しかもフルレンジで動作を行うというのは基本中の基本であり、厳守してほしい約束事だ。このことは継続的な筋発達のためだけではなく、ケガの予防にも関係してくることだ。

正確なフォームは、個々の筋肉が持つ機能を考慮して定義づけられている。つまり、正確なフォームで行うことで対象筋の機能を最大限に引き出せるようになっているので、最も効率よく筋肉を刺激することができる。もちろん、対象筋を正しく使うことはケガの予防にもなる。

例えば胸筋の種目としてバーベルベンチプレスを行う場合、正確なフォームが維持できなければ、肩や上腕三頭筋に分散される刺激の割合が多くなってしまう。上腕三頭筋を肥大させるために行うならそれで構わないかもしれないが、胸筋を発達させるためにバーベルベンチプレスを行うなら、胸筋をメインに鍛えたい。つまり、胸を効率よく刺激するためのフォームが維持できなければ、目的と違う結果になってしまうのである。

刺激したい部位があり、その部位のために種目を選択する。だからこそ、その種目はその部位を最大限に刺激するやり方で行う必要があり、それが基本となることを覚えておいてほしい。そういった意味での正しいフォームができていることを前提にした上で、楽に動作が行えるようになったら、漸増負荷の理論に則って負荷を増やしていこう。

フォームの崩れに気づかずに負荷を増やそうとすると、対象筋がまだ強くなっていないうちに負荷を増やすことになり、そういう状況が続けば近いうちにケガを負うことになるかもしれない。

正しいフォームと同じくらいフルレンジを使った動作も重要だ。正しいフォームで、スタート地点からフィニッシュ地点までの全可動域を使って動作を行おう。

例えばプッシュアップの場合、十分に肘を曲げて身体を床面に近づけてからスタート地点まで押し上げるフルレンジのやり方と、ほんのわずか肘を曲げるだけで、すぐにスタート地点まで押し上げるのとではどちらが難易度が高いか考えてみるといい。

前者はプッシュアップの全可動域を使っている。全可動域を使えば難易度が上がるので対象筋への刺激をより強めることができるのだ。

【#2:使用重量を増やす】
正確なフォームとフルレンジ動作をしっかり守りながらトレーニングを継続すれば、やがて選択した重量が楽に感じる時期が必ず来る。そのときはぜひ使用重量を増やして負荷を強めていこう。使用重量が増えていけば誰だってうれしくなるが、あくまでも増やす量は少しだけだ。一気に10㎏も増やしたりしないようにしよう。

とは言っても、ベテラントレーニーに比べて、トレーニング歴がまだ半年くらいの人は筋力の伸びが顕著だ。実際、トレーニング歴が浅い人のほうが一気に筋力が伸びる。しかし、だからこそ注意が必要である。負荷を増やすのは少しずつだ。筋力の伸びが早いなら少しずつ高頻度で増やしていけばいい。

伸びが早いぶん、落ちるのも早いのが初級者や中級者である。だからこそ、ワークアウトは定期的に行い、伸びた筋力がしっかり定着するように、少しずつ着実に負荷を増やしながらワークアウトを続けよう。

【#3:レップ数を増やす】
使用重量を少しずつ増やしていくことで筋肉は常に新鮮な刺激を受けることができる。しかし、例えばホームトレーニーの場合、自宅にあるプレートには限りがある。ジムでトレーニングしているならプレートはいくらでも使えるが、それでも物事には限度があり、筋力は無限に伸びていくわけではない。

それに、重量を増やそうとしても、自宅にある最小のプレートが2.5㎏だったら左右に1枚ずつつければ一気に5㎏増になる。筋力が一気に伸びる初期のころなら許容範囲かもしれないが、伸びがある程度落ち着いてくると5㎏増は筋肉にとってかなりの負担になることもある。

そこで、使用重量を増やす以外の方法を選択したい。例えば、重量は同じでも、セット内で行うレップ数を、今までの8レップから9レップに増やしてみる。9レップが楽になったら10レップ、11レップ、12レップくらいまでは増やしていけるはずだ。負荷を増やす方法は使用重量だけではない。重量はそのままでもレップ数を増やすだけでワークアウトの強度は今までより格段に上がるのである。

【#4:セット数を増やす】
使用重量は無限に増やしていけるものではない。それはレップ数も同じだ。なぜなら、目的によって理想的なレップ数の範囲というのがあるからだ。

読者の皆さんの多くは、かっこいい身体を作るために筋肥大を目指しているはずだ。その場合、セットあたり8〜12レップ行うのが理想的だ。重量を増やさずに12レップまで回数を増やすことができたら、次にできることはセット数を増やすことである。

ただし、すべての種目のセット数を増やすのではなく、1種目だけ選択してセット数を増やすようにしてみる。また、ワークアウトのたびにセット数を増やす種目をあれこれと変えることはせず、一定期間は決めた種目でセット数を増やすようにする。

1セットでもセット数が増えれば、それだけでワークアウト全体の強度は高まる。ただし、それと同時に使用重量を増やしたりレップ数を増やしたりしないようにしよう。変化させるのはひとつだけだ。それ以外の要素は一定に保つこと。

【#5:休憩時間を短くする】
ジムでトレーニングしていると、1セットが終わるたびに携帯をいじっている人がいる。順番待ちをしている人がいてもお構いなしだ。しかし、携帯を操作している間に筋肉の疲労は完全に回復してしまい、ようやく次のセットを再開しても、1セット目と同じことを繰り返すことになる。

ひとつの種目に対して何セットも行う理由は、少しずつ筋肉の疲労度を高めて、対象筋を追い込みたいからだ。そのためにも、セット間休息の時間もしっかり管理したい。

そこで、より強度を高め、効率を上げるために、セット間の休憩時間をいつもより短縮してみよう。セット数、レップ数、使用重量が同じであっても、セット間休憩を短くするだけで難易度が上がるのだ。

【#6:トレーニング頻度を増やす】
トレーニングを開始したときから週4回のワークアウトを行っている人は、ためしに週5、6回まで頻度を増やしてみよう。そうすることで部位ごとにかかる負荷を以前よりも強めることができるはずだ。

ただし、注意したいのは刺激する部位の間隔だ。同じ部位を週2回ワークアウトするなら、月曜日と木曜日、もしくは火曜日と金曜日というように、できれば中2日は空けるようにしたい。疲労が回復しないうちに次のワークアウト日がきてしまうことがないように、しっかりと練ったスケジュールを作ろう。

次ページでは、5つの高強度テクニックをご紹介

次のページへ >

-トレーニング, mens
-,