今年、17年の日本ボディビル選手権出場キャリアの中で最高位の2位にまで登り詰めた、日本ボディビル界の“ジュラシック”こと木澤大祐選手のボディビル珍エピソードを紹介! 世界七不思議、七つの海、虹の七色、七にまつわるいろいろな事象が世の中にはあるが、ジュラシック木澤選手にも都市伝説的な七つの(あるいはそれ以上!?)逸話があるとかないとか。その真実に迫る !
文:岡部みつる、アイアンマン編集部
娘は空手家!? 角田信朗を引き込んだ男!?
「子供には今、空手をやらせてます。
僕は中学のころ、強くなりたくて空手をやりたかったんですが
『空手=道場=集団トレーニング』
というのに馴染めなくて、腕立て伏せや懸垂を始めたんです。
角田信朗正道会館最高師範とも親しくさせていただき、格闘技を極めた人のカッコよさに触れて、子供には空手をやらせたいというのがありました。自分のやりたかった格闘技を極めた角田師範に出会えて、とても感激しました。角田師範=デカいイメージでしたが、実際に会ってみるとストイックに節制している感じだったので
『一度究極まで絞ってみてください。今まで見えなかった世界が見えてきますよ』
と声をかけさせていただきました。ひょっとしたら大会に出たいんじゃないかなって思ったんですよ !『 (それだけ絞ってるなら)出てみましょうよ!』っていう感じでした」。
これを受けた角田師範は「戦いのリングから降りて『俺の挑戦人生はもう終わった』と思っていた自分には、まさに悪魔の囁きでした(笑)」
とそのときの心境を述懐している。
角田師範がその後ボディビルにのめり込んだのは周知のことである。それにしても、恐るべしジュラシック木澤 ! そこまで追い込んでいたとは!? 現在は、自身の名を冠した「ジュラシックアカデミー」主宰を務めるが『何があってもおかしくない』という危機感を、常に心の奥底に抱いているという。
経営もトレーニング環境も『どん底を見たがゆえに今がある』と自覚しているからだ。最大限の負荷がかかり縮んだバネが力強く伸びる瞬間を、我々は目の当たりにしているのかもしれない。
木澤大祐(キザワ ダイスケ)
1975年1月9日生まれ、愛知県名古屋市出身。身長170cm、体重82㎏(オン)、オフ(89㎏)医療廃棄物の回収という肉体労働をしながら大会出場を続けていたが、2017年2月にJURASSIC ACADEMYをオープン。2019年4月には独立してオーナーに。爆発的な筋量を誇り「ジュラシック木澤」「東海の恐竜」の異名で多くのファンを持つ。2020年7月7日からJURASSIC KIZAWACHANNEL(YouTube)を開設。登録者数4.6万人。一男二女の父。
主な戦績:1995年 日本ジュニア選手権優勝、2003年 ジャパンオープン選手権優勝、2008・2019年 日本選手権4位、2014・2015・2019年 日本クラス別選手権85㎏級優勝、2021年 日本選手権2位
執筆者:岡部 みつる(オカベ ミツル)
昭和の終焉に渡米。’93年、米マスキュラーデベロップメント誌のチーフフォトグラファーとして年間契約。’96年からMOCVIDEOを設立「オリンピアへの道」をはじめロニーコールマン、ジェイカトラーなどトッププロビルダーのDVDを制作。’08年に会社を売却し帰国。マッスルメディアジャパンと協力し「Mr.日本への道」をはじめ鈴木雅、田代誠、合戸孝二、ジュラシック木澤といった日本のトップビルダーの撮影や編集に携わる。標高634mの鹿、不如帰、ヒグラシに囲まれた山中にワイフと愛犬サチとの3人暮らし。YouTube『ミッツTV』で撮影裏話など配信中。’92NPC-Mr.L.A. ライト級優勝。